宮古病院 医療崩壊寸前/新型コロナ
高齢者の入院患者増/機能・病床確保が逼迫
県立宮古病院の本永英治院長は19日、会見し、新型コロナウイルス感染者の入院患者が増え、病院機能や病床確保が逼迫(ひっぱく)し崩壊寸前だと表明した。特に、年明けから介助が必要な高齢者の入院が急増していることから、担当部署の看護師では足りず、職員を再編成して対応している。伴って18日から予定手術を延期するなど診療制限の措置を取っている。本永院長は家族内感染・職場感染が多くを占めるとして、市民に会食などを控えるよう求め、「軽はずみな行動をしないでほしい」と強く呼び掛けた。
宮古島市では昨年10月以降、約170人の感染者を確認。宮古病院では36床、宿泊施設で23床の病床を確保している。年明け12日から19日までの入院患者は27人、うち20人が60歳以上。19日時点では24人が入院し、60歳以上は18人。うち80歳以上が10人。90歳以上は6人。ほかに宿泊施設で療養しているのが8人いる。
高齢者はほとんどが介助を必要とするため、看護師にかかる負荷が格段に大きくなる。宮古病院では高齢感染者が増加する状況を受け、対応する看護師を増やし、伴って一般診療を制限する措置を18日から取った。
本永院長は「以前は20代、30代という若い感染者が多かったが、今は高齢者が急増している。家族内での感染。職場や会食などで感染した家族が、家庭内に持ち込んでいると見られる」と述べた。
強い危機感をあらわにする本永院長は重症患者、高齢者患者は医療従事者の負荷が増大し、体力低下、免疫力低下を招き、医療従事者が感染した場合、さらに院内感染のリスクが高まり、医療崩壊につながると説明した。その上で「コロナは潜伏期間が長い。無症状期間に広がりやすい。風邪の症状がある場合はコロナではないかと考えて行動することが大事。多人数の会食などは控え、軽はずみな行動はしないでほしい」と呼び掛けた。