新規感染 2日連続30人超/市長「危機変わらない」
医療現場の逼迫、深刻化/新型コロナ
宮古地区における新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらない。27日に確認された新規感染者は県の発表で33人。前日の34人に続き、2日連続で30人を超えた。病院でPCR検査を受ける濃厚接触者は増え続けており、感染者の急増で医療現場に係る負担の増大は避けられない状況だ。座喜味一幸市長は「危機的な状況に変わりはない」と緊急事態を強調し、引き続き全庁体制でコロナ対策に取り組む考えを示した。(8、9面に関連)
宮古地区の感染確認者数は直近1週間で111人となっている。年代別では60代が最も多く、この1週間で19人、70代の16人、80代の15人と続いて90歳以上の感染者も10人を数える。
特に26、27の両日はこの傾向が強く表れており、1日当たりの新規感染者に占める60代以上の割合は26日が47%、27日は52%と比重が大きい。高齢者が感染すると重症化する可能性が高いとされるため、関係機関が懸念を強めている。
このほかの年代でも満遍なく広がっているのが特徴だ。10歳未満で3人、10代で10人の感染が確認されており、学校現場での感染拡大が現実味を帯びる。市教育委員会は27日、小中学校の休校を決定。28日から全校が休校措置を取る。
こうした直近1週間の新規感染が100人を超える宮古地区は、人口10万人当たり感染者数で全国1位の東京都(54・50人)や同4位の沖縄県(38・50人)をはるかに上回っており、全国一厳しい状況が続く。
座喜味市長は27日、本紙取材に「きょうも33人出ている。危機的な状況に何ら変わりはない」と話し、事態の大きさを強調した。その上で「こういう現状を踏まえ、学校関係の取り組みを含めて(休校が)通知されている。なお一層全庁体制で取り組みを強化し、このコロナ対策、感染防止に努めていく」と述べた。
市は市民に対し、①当面の間、生活に必要な買い物等以外の不要不急の外出の自粛②会合や会食を控えて人との接触を減らす③仕事や買い物等、人と接触する場合のマスクの着用、「3密」を避けた行動、接触後の手指消毒等基本的な感染対策の徹底④島外への往来自粛⑤来島を予定している島外からの旅行や帰省の自粛-の協力を求めている。