若い世代で接種率低く/「子守るためにも受けて」
市呼び掛け
宮古島市での新型コロナウイルス感染者数の累計が30日、1013人となった。依然として県内でも感染爆発となっている。市内の感染状況を見ると、今年の4月頃までは70歳以上の高齢者の感染が多かったが、ワクチン接種が始まった4月12日以降からは減少し、6月10日からは70代以上の感染は確認されていない(7月28日時点)。一方、10歳未満~60代の感染は増加傾向にある。年齢が低くなるにつれて接種率が低下する傾向にあることから、市では「ワクチンを接種できない子供たちを守るためにも多くの人に接種してほしい」と呼び掛けている。
市ワクチン対策室によると(7月26日現在)12歳以上の対象市民4万8563人のうち、2回目のワクチン接種が完了しているのは33・6%(1万6329人)。1回目の接種が済んだ人は54・2%(2万6332人)となっている。
4月から優先接種が行われた65歳以上は2回目接種済みが77・1%、1回目接種済みが82・7%となっている。これに対して、64歳以下の接種率は2回目接種済みが12・9%、1回目が40・7%となっており、65歳以上の約半分しか接種しておらず、年齢が低くなるにつれて接種率も低くなっている状況だ。
市では20代から64歳までの対象者が接種できるよう、夕方や土曜日、日曜日に集団接種するよう対応しているが、なかなか接種率の大幅な向上にはつながっていない。こうした状況を踏まえて、「今後はデルタ株の流行なども懸念される。経済活動や市民生活が普通に送れるように接種速度を速めていきたい」と話した。また、「島外から帰島してワクチン接種を受ける予定の人はPCR検査で陰性が確認されてから接種しに来てほしい」と強く訴えている。
一方、今年3月以降の陽性者数を見ると70代以上の高齢者の陽性者は6月10日から確認されていないが、10歳未満から10代の陽性者数が増加傾向にある。高齢者の陽性者数が減少したのは2回目のワクチンの効果が出始めたからとみられる。
市では「感染拡大させないためにもワクチンに加えて、感染防止対策も徹底してほしい。子供たちへの感染が増えてきている。接種できる12歳からは夏休み期間中に2回目が完了するようにしたい。また、ワクチン接種ができない子供たちを感染から守るためにも大人はできるだけ接種してほしい」と協力を求めている。