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社会・全般
「介護福祉士」地域の福祉サービス向上を目指して
誰もが避けては通れぬ高齢化―宮古介護福祉士の会
核家族化が進む中、老後を地域社会に委ねるしか術のない高齢者が増えた。福祉を取り巻く環境が大きく変化しつつある中で確実に需要の高まる介護職。そんな中、介護福祉士の知識や技術、地域への介護技術の普及などを目的に二〇〇六年に発足した「宮古介護福祉士の会」(羽地克也会長)は、現在会員約七十人。正会員が介護福祉士の資格を有する者、準会員が介護に携わる者となっている。将来、家族のために介護技術を身に付けたいと入会する者も少なくない。羽地会長は「介護は社会的なことなのに、今のところ事業所や施設単位で行われている。もっとお互いの悩みや情報を集約する場所が必要。技術や知識を身に付ける研修会にしても事業所単位では難しい。そのために、この会を活用してほしい」と話す。
「あなたも一緒に介護福祉について話してみませんか」というキャッチフレーズで入会を勧める同会は、①介護従事者の知識・技術・感性の向上を図るための研修②地域で開催される介護に関する研修会等への講師の派遣③介護福祉の発展に必要な広報④関係団体との連携・交流⑤その他、目的を達成するために必要な事業などを掲げる。役員は会長、副会長、会計、事務局、理事など十人で構成される。
役員は、施設勤務や、デイサービス、在宅訪問、社協勤務などさまざま。毎月一回の理事会を通し、お互いの状況や希望、要望などを出し合い、検討を重ね研修会や講演会などへとつなげていく。年四回発行される「かいごのたより」では、そうした活動内容を写真入りで紹介し、会員の喚起を促す。
これまで行われた研修会では、武道のコツを取り入れた介助法を実践して全国的に活動を展開する青山幸広さんを招き、基本動作から、スーパートランス(移乗介助)まで内容の濃い実践法を学んだ。介護の職業病ともいわれる腰痛を避けるために研修後は、受講した会員を中心に毎月一回「介護技術フォローアップ勉強会」も行われている。
副会長で、事務局もあずかる下地善一さん(市社会福祉協議会平良支所勤務)は「それぞれの事業所の中で悩んでいる介護従事者も多いと思う。職場をこえて、みんなで情報交換し介護の向上につなげていけたらと思う。もっと楽しく仕事ができるための会だと思っているので、多くの市民に参加してほしい」と、入会を呼びかける。
福祉のエキスパート「今後、高齢者・障害者施設の充実を」
身体障害者厚生援護施設 青潮園施設長 下地徹さん
現在、宮古の福祉施設は、特別養護老人ホームの宮古厚生園(養護老人ホーム)、みやこの里、下地長生園、伊良部の松風園、それに、老人介護保健施設の栄寿園、悠悠、療養型の更竹、池村内科・小児科、城辺中央クリニック、真喜屋精神病院など合わせて五百四十床、また、身体障害者厚生援護施設・青潮園、知的障害者更生援護施設・ふれあいの里、あけぼの学園などで百十床があり、宮古の在床は合わせて六百五十床。そこはすでに満杯で、待機高齢者が百人以上いると推定される。県全体では三千人ともいわれている。
六百人以上の高齢者が施設にいるということは、介護に従事する者が三百人は必要とされるが、現状はおそらくそれを満たしていないと思う。介護福祉士もなり手が少なくて、宮古の福祉の現場は、二級ヘルパーの免許を持っている人たちが最低条件としてカバーしている状況だ。
いま国も、看護師や介護士のなり手が少なく、外国から人材を招き養成するという施策を取り入れ始めた。こうした福祉の現場に行政が関わってまとめてくれると助かるが、今のところ、制度だけがコロコロ変わって、一般の人にはついていけない状況をつくっている。後期高齢者の問題も説明不足でいきなり感が国民を怒らせている。私としては、消費税を目的税化して将来の展望を図るべきだと考える。
宮古は、六十五歳の高齢者が毎年三百五十人ずつ増えている。これから独り暮らしや夫婦二人暮らしの高齢者が増えることは明らか。今でも施設が足りないのに五年後には、大変なことになる。今後、高齢者施設の充実強化が望まれる。