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社会・全般
宮古島市民歌舞劇団「きずな」”宮古の土着のパワー伝えたい”
ミュージカル「貢布織女の歌」15日、浦添市てだこホールで
市民歌舞劇団「きずな」(佐渡山力代表)によるミュージカル「貢布織女(・こうふおりめ・)の歌」が、2月15日(日)午後6時30分から、浦添市てだこホールで上演される。宮古の農民が人頭税制社会で辛酸をなめながらも明るく、健気(・けなげ・)に生きた織女たちを中心に、当時の社会を風刺する歴史物語。舞台はミャークフツ(宮古方言)が飛び交い、情愛、祈り、笑い、涙ありのミュージカル。宮古からは佐渡山団長はじめ、演出の宮国敏弘さん、出演者、スタッフなど約20人が上覇する。
四年前にマティダ市民劇場で上演された同ミュージカルを、沖縄本島でもという郷友たちの声が高まり、昨年、沖縄公演実行委員会(友利敏子委員長)が組織された。それに伴い、当時の出演者やスタッフも動きだし、けいこを始めたのが七月から。週一回、メンバーの家で練習を積んできた。十一月のプレ公演では、出演者らが劇中歌を披露したり、スタッフのトークショーなどで、本公演をピーアールした。
このミュージカルは、宮古高校四期生で大阪在住の音楽家・花城武彦さんの作品。故郷への恩返しにまとめたもの。物語は宮古民謡の「豆が花」をモチーフに、人頭税時代、貧しくもたくましく生きた宮古島の人々。中でも宮古上布を織る女性たちの姿を描く。結婚を約束しているミガとカマの間に、目差主(ミザスシュ・首里役人)が介入し、役人はミガを妻にしようと迫る。
物語は、島の素朴で美しいわらべ歌や民謡、オリジナル曲を織り交ぜ、ミガとカマの運命にスポットをあてながら進む。ミガの仲里広江さん(ソプラノ)とカマの田里直樹さん(テノール)は、オペラ歌手として活躍中の声楽家を起用、沖縄本島の女声コーラス、児童合唱団、空手舞踊、ダンスなどそれぞれの分野で活躍する皆さん総勢百人が出演する。 宮古からの出演者は、織女の六人(本永安子・砂川宏子・与那覇恵子・砂川加代子・伊良皆みさよ・前泊ミヨさん)、子役の砂川珠奈さん(南小一年)、目差主役の真壁勝美さん、ミガの母親役砂川寿美さん、精霊役の与那覇冴子さん、ユヌス(役人)役の与那覇健一さんら。スタッフは、演出・方言指導/宮国敏弘さん、制作/佐渡山力さん、舞台監督/伊良波篤徳さん。
三日午後八時から行われたけいこは、織女たちが舞台衣装に着替え、本番さながらの気迫を見せた。本番でのフィナーレは、ミガとカマが「海のまほろば」の曲に乗せて「祈り」を歌う。次いで、全員で「貢布織女の歌」(池間島民謡)を斉唱、感動的な場面となる。
本永さんは「このお芝居に会わなければ、『豆が花』の原型が、人頭税のころに歌われたということを知らないでいた。先祖の大変な歴史を教えてもらっただけでも大きな徳を得た」。また、砂川寿美さんは「この芝居を通し、『劇団きずな』の絆(・きずな・)がさらに深まった」と感想を話し、一人ひとり演劇を通して得たものは大きいようだ。
演出の宮国さんは「沖縄本島で、宮古の風土と歴史、香り、色、気質など土着のパワーを伝えてきたい。方言に込められた先祖のたくましく生きる力を見てもらいたい。そのために、方言も池間や久松、城辺、平良など各地のものを取り入れた。戯曲が、時代に翻弄(・ほんろう・)された男女の悲哀なので、カマとミガの情愛を縦糸に、織女たちの素朴で快活、たくましく生きる姿を横糸に紡ぎ上げた上質の宮古上布。郷友はじめ多くの人たちに見てほしい」と、来場を呼びかける。
佐渡山団長は「フィナーレで、ミガとカマの歌う『祈り』は「海のまほろば」に乗せて歌い、全員で歌う『貢布織女の歌』は池間島の民謡で、併せて感動的な場面になると思う」として、歌も楽しんでほしいと話す。
詳しくは、浦添市安波茶の垣花譲二(事務局長)まで。電話&FAX(098-878-8739)