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社会・全般
「みやこ少年少女合唱団」歌い継いで35年
「平良市少年少女合唱団」は2005年、市町村合併に伴い「みやこ少年少女合唱団」と改名。
歌は心で歌うもの、合唱は心を一つにして歌うもの―。みやこ少年少女合唱団(78人、宮国貴子団長)は、結成35周年を記念して10日、マティダ市民劇場で定期演奏会を行った。同合唱団2代目指揮者の高里千穂子さんが団長を務める那覇少年少女合唱団の団員14人も友情出演、子どもたちの美しいハーモニーで会場を魅了した。オープニングは「宮古島市歌」で幕開け、第3部は「郷土の謡(うた)」として宮古トーガニアヤグやなりやまあやぐを歌った。最後は、第1回の定期演奏会で初演し、以来節目の年に歌われてきた合唱組曲「タカドーイ」は、宮国団長によって演出され、昔懐かしいタカの渡りとして披露された。澄み切った子どもたちの歌声は会場いっぱいに広がり、歌い継いできた歴史の流れを伝えていた。
第32回定期演奏会/伝統文化をテーマに合唱組曲「タカドーイ」を音楽劇で
合唱組曲「タカドーイ」は、わらべうた「タカドーイ、デンゴ」を脚色したもの。第1回定期演奏会で高里千穂子さんが原案、奥平潤さんが作曲して、節目の年に演奏されてきたオリジナルの組曲。今回は特別に宮国団長がシナリオを作り、おじいさんとおばあさんを登場させることで、寒露のころ島に渡ってくるタカ(サシバ)の話を組み入れた。
まだ、国際保護鳥になっていないころのタカは、住民の中でとても身近なものとして存在した。組曲では、秋の空をタカが舞う島の美しい自然を歌い、わらべうたで子どもたちがタカと遊んだ様子を描く。南の空へ消えていくタカたちに「おつかれさま」を言い、忘れないでまた来年も来てほしいと歌う。
お年寄りの話の中には、以前タンパク源として食したタカジューシーのこと、捕獲の方法、子どもたちがペットのように遊んだことなどが語られ、身近な秋の使者としてのタカ物語が今の子どもたちに伝えられる。衣装も着物姿に替えた子どもたちは、タカをテーマとした組曲を伸びやかに歌いこなしていた。
26年指導者として/団長の宮国貴子さん
1984年、指導者として合唱団にかかわって以来、88年からは平良市少年少女合唱団の4代目指揮者として活動、結成30年には、2代目団長の佐渡山力さんより、3代目団長を引き継ぐ。26年の指導を通し、地域に貢献、県内外の合唱団とも交歓演奏会を開くなど青少年の健全育成に努めてきた。
宮国さんは、亡父が音楽の教師だったことから、幼いころより音楽的環境の中で育つ。昭和音楽大学専攻科で声楽を学び、郷里に戻って音楽の教師に。結婚して3人の男の子を育てながら、地域の子どもたちの育成にも励む。こうした長年の活動の成果が評価されて21年度の県文化協会賞功労賞を受賞した。
定期演奏会をスタートさせる/高里千穂子さん
今回、定期演奏会に友情出演した那覇少年少女合唱団の高里団長は、平良少年少女合唱団の2代目指揮者。合唱組曲「タカドーイ」の原案者でもある。故豊見山恵永氏が1974年に団を結成し、4年目に定期演奏会をスタートさせたのが高里さんだった。その中で合唱組曲「タカドーイ」が発表され、今日まで歌い継がれている。
20周年記念誌の中で高里さんは「宮古島をテーマにサシバを通して人情味を表現、宮古賛美の歌は他にないと思った。第1回の定期演奏会はトーガニアヤグで母親たちの踊りも入るなど感動的だった」と記している。