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社会・全般
羽地 昇子さん(67)沖縄県剣道連盟審議員 平良字西里
「生涯修練」を旨として
居合道7段(教士)・杖道6段(錬士)の女性剣士。現在、両道の講師として沖縄本島へ行ったり来たりの毎日。20数年前、二人の息子が剣道部に入部したことで、育成会として宮古剣道連盟とかかわったことがきっかけだった。「当時、県剣道連盟の棚原恵教会長に勧められ居合道の全国中央講習会に参加、女性たちが生き生きと刀を振り回しているのを見て人生観が大きく変わった」
さっそく宮古で居合道部が結成され、女性も多く参加した。学校の体育館を利用して週1回のけいこに明け暮れる。居合道7段を取得したのは10年前。祝賀会の席で夫・義禎さんは「金と暇があるからできるものじゃない」と激励、これに対し羽地さんは「家族の理解と先生方のご指導が何よりの味方だった」と、感謝の言葉を返したという。
1952年創立の全日本剣道連盟には、剣道・居合道・杖道の3部門があり、それぞれに称号、段位が設けられている。杖道は当時、統一された制定形はなく、審査会も思い思いの流派で行われていた。68年、研究の末、制定形が確立され、以来全国各地で講習会などを通し普及発展に努める。羽地さんは、居合教士になる2年前、杖道の中央講習会に参加。その後、居合と並列して杖道の修行にも励んできた。
一昨年、杖道6段を取得、昨年11月には錬士の称号を得た。杖道は攻撃を主とせず、相手に対して変化し、制圧するのが旨とされる。400年前、夢想権之助勝吉が創始。長さ1㍍28㌢、直径2.8㌢の白樫の杖は、突けば槍、振れば薙刀、そして太刀の3武術を総合したものといわれ、宮本武蔵の十字留も破ったと伝えられている。
家庭では夫を支え、地域では沖縄宮古法人会の女性部を立ち上げ10年間会長として活動、20余年、花ギャラリーを主宰して芸術文化の創出にも貢献してきた。「武道は家庭も社会活動も片手落ちにならないよう人間形成の場として継続を怠らないようにしている」と、生涯修練を旨とする。
羽地 昇子(はねじのりこ)1942年3月23日、石垣市に生まれる。宮古に嫁ぎ、夫と共に(株)みなせ商会を設立。91年「花ギャラリーTOMOE」設立。98年、居合道教士取得。2008年、杖道6段取得、翌年錬士に。夫・義禎さんとの間に2男、孫2人。(佐渡山政子)