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社会・全般
兼島真紀子さん(46歳)音楽教室 「Grazia」主宰平良字下里
教え子たちの成長を糧に
「アテンション プリーズ」で幕開けした今年のスプリング・コンサート。12人の若者たちがピアノ、ヴァイオリン、マリンバ、パーカッション、トロンボーンなどを奏で、世界中の音楽を披露、聴衆は世界一周の旅を満喫した。奏者は、グラツィア(感謝の意)を卒業した生徒たち。音楽教室を主宰する兼島さんは「今年開設15周年ということもあって、やるかーとなったのが2カ月前。全員そろったのはコンサート前日だった」と笑う。
幼いころから音楽に関心があった。叔母の家にオルガンがあり、いつも弾いていた。小学1年生の時、初めて音楽教師にピアノを指導してもらう。「当時は塾なんてなく、学校の先生が放課後教えてくれた。後に音楽教室で本格的に指導を受ける。高校卒業後、東京の松山夫妻の家に住まわせてもらい娘の奉子先生の指導を受ける。大学卒業までの5年間お世話になり、生活面でのお作法など、あらゆることを教えてもらった」
郷里に戻り、旧平良市の少年少女合唱団のピアノ伴奏を務めながら、教室を開設。毎年、ニューイヤー・スプリング・サマー・クリスマスコンサートなどを交互に開き、一年の集大成としてきた。教え子たちは、現在、本土や沖縄本島で、音大生、音楽教師、中には多くの賞を受賞してフリーで活動する者などさまざま。「私の自慢の生徒たちです」
今回の企画は、生徒の年始のあいさつから始まり、不思議な巡り合わせがいくつも重なって、最後はみんなで舞台を楽しんだ。「住んでいる場所がばらばらなので、メールや電話でやりとりするが、思うようにいかず、苦肉の策で世界音楽の旅にすることにした。ちょうど、生徒の母親が英語の教師をしていたことがわかり、司会進行を客室乗務員にした」。窮すれば通ずで、師弟でコンサートを開くというその一点に向かい、奏功したのだった。
第二部の「動物の謝肉祭」では全員が登場、序曲を2台のピアノで師弟4人8手連弾で見事に弾きこなし、鶏や亀、象などそれぞれの生き物をそれぞれの楽器で表現、会場を沸かせた。「音楽はもう一つの言語と言われるほど世界の共通語。音楽を通し、舞台と客席が一体となれた。生徒たちの成長ぶりを確認することもできた」と高揚することしきり。
兼島 真紀子(かねしま まきこ)1963年10月10日生まれ。宮古高校卒、洗足学園音楽大学卒。学校の非常勤講師や旧平良市少年少女合唱団のピアノ伴奏を経て、平良下里でミュージック レッスン ルーム「Grazia」開設。(佐渡山政子)