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社会・全般
「鳴りとぅゆんみゃ~く方言大会」
宮古島市文化協会は来る29日「鳴りとぅゆんみゃ~く方言大会」を催す。酒座でのオトーリ口上はともかくも公の会場で方言の弁論大会ができるはずはない。第一誰も聞きに来ないよと出鼻をくじかれて始まった同大会
▼以来今大会で早17回目を迎えている。「収容1000人近い島最大の劇場のチケットが、30分で売り切れるなんて尋常じゃない。あの難解な宮古口での素人の弁論大会がなぜ?百聞は一見にしかず。僕は島に向かった」
▼かくて作家・編集者の三枝克之氏はJTA機内誌『コーラルウェイ』掲載の取材のためカメラマンを伴い来島した。「炎天下、会場のマティダ市民劇場には開場1時間前からすでに長蛇の列ができていた。(弁論大会は)正式には鳴りとぅゆんみゃ~く方言大会」
▼「鳴りとぅゆんとは鳴り響く、みゃ~くは宮古だがこの~にも宮古口独特の抑揚が表現されている」「じつはこの島の言葉そのものがとても貴重な文化遺産だ」
▼「言語学的には琉球の言葉は日本の古語の名残を多くとどめているとされるが宮古方言はそのさらに古層を抱いた言葉なのだ」(同氏)。こうして三枝氏は出場者一人一人の弁論内容はもとより人柄や生い立ちもていねいに取材
▼「なぜ宮古の人々は素人でもあんなに話芸が上手なのだろう?…このオトーリこそがこの島の話芸をはぐくむ土壌だったのか」と結んだ。大戦の本土の防波堤、日本独立の犠牲、復帰後も基地の押しつけ等々の歴史を負い続けている。他府県の思いは「普天間」で如実に示された。再び「屈辱の日」にならないことを祈る。