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社会・全般
2010年6月7日(月)16:37

普天間問題で「鳩」は飛び去った

鳩は飛び去った。「立つ鳥あとを濁さずとも言う。普天間問題で「最低でも県外移設」を公約していた鳩山首相は「辺野古」へ回帰した。反対する大臣を罷免までして。 

 
▼ 辺野古の海が「埋め立てられることは自然への冒涜(ぼうとく)だ」と発言した首相だ。普天間と政治とカネの問題で国民から見放され辞任。県民は鳩山首相に期待していただけに怒を露にする。「沖縄の人をばかにしている」とのコメントは象徴的だ
 
▼戦後は31人が首相を務めた。沖縄の節目にかかわった首相は5人。米軍基地の固定化につながる日米講和条約の吉田首相。日米安保改訂の岸首相。「沖縄の復帰なくして日本の戦後は終わらない」と発した佐藤首相。普天間基地返還を日米合意した橋本首相。そして鳩山首相
 
▼小鳩政権の退陣によりマスコミの軸足は新政権と参院選挙に移る。連日報道された普天間は県民に押しつけられたまま幕引きの感は否めない。新政権を担う菅首相は「日米合意に沿う」方針のようだ、沖縄はほんろうされ続けられる
 
▼連立政権を離脱した社民党は「県外・国外移設を今後も追求していく」と力強い。なにせ少数政党だ。県民が辺野古移設にNOを突き続ける以上、日米ともに未解決の問題だ。新政権の菅首相は真摯に受け止めてほしい
 
▼平成になって15人目の首相だが1年余の短命政権が続く。小泉首相の5年余は突出だ。政権投げ出しの轍(てつ)を踏まず、普天間問題にも光明を見いだしてほしい。あの市川房枝女史に学んだという菅首相だけに期待したい。


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