宮古神社 厳かに遷座祭/たいまつともし、神移す
関係者100人が夜に行列
現宮古神社に祭る「御神霊」を浄気に満ちた夜に新神社の本殿に移す本殿遷座(せんざ)祭が25日、厳かに行われた。神社に祭られているのは熊野三神と豊見親三神。関係者らが絹垣(絹のとばり)で囲んだ御神霊をたいまつをともして、行列をつくり新神社に移した。きょう26日は竣工奉祝祭が行われる。
現本殿の出発祭では、末安大孝宮司が、罪やけがれを払う祝詞(のりと)を奏上。修祓(しゅばつ)の儀が行われ、参列者を清めた。
御神霊を祭る本殿の扉を開け、神殿に移っていただく旨を報告。御神霊の供をする奉仕員に御神宝(神社に納められている宝物)や鏡、弓などの威儀物が授けられた。
参列者は御造営奉賛会の役員や豊見親の子孫、祭員や奉仕員、役員総代ら約100人。 烏帽子や装束姿の参列者が、たいまつやのぼり旗を手に、新社殿まで約500㍍の道を歩いた。笛の音や「オーオー」の声、たいまつの明かりに浮かぶ絹垣は幻想的。午後8時��分ごろ新本殿に到着した。
新本殿では御神霊の安らかな鎮まりと宮古島の平穏を祈る祝詞を奏上した。宮司や参列者代表が玉串を奉納。本殿の扉を閉め、参列者や一般参加者全員による2礼2拍手で遷座祭を終えた。
末安宮司は「立派なな神社の完成は、皆様の支援のたまもの。その真心は末長く語り継がれると思う」とあいさつ。
御造営奉賛会の中尾英筰会長が、神社の繁栄と市民の幸せを願い乾杯した。
会場にはめったにない機会を見逃すまいと、大勢の市民が訪れ遷座祭の模様をカメラに収めていた。
宮古神社は宮古権現堂と平良町社宮古神社が併合された神社。権現堂の熊野三神(速玉男尊(はやたまをのみこと)、伊弉冊尊(いきなみののみこと)、事解男尊(ことさかをのみこと))と、町社に由来する豊見親三神(目黒盛定政命、與那覇恵源命、仲宗根玄雅命)が合祀されている。