平和への思い新たに/65年目の「慰霊の日」
焼香し御霊の冥福祈る/各地で追悼式、慰霊祭
多くの県民が巻き込まれ尊い命を失った、第2次世界大戦における沖縄戦。その組織的戦闘が終結した日である「慰霊の日」を迎えた23日、県内では各地で戦没者の冥福を祈った。宮古圏域でも平良、城辺、下地、上野、伊良部、多良間で追悼式・慰霊祭が行われ、
遺族や各界代表らが哀悼の意をささげるとともに、戦後65年の節目に、戦いのない平和な世界の実現へ思いを新たにした。
平良では同日、同地域遺族会(川満俊夫会長)主催の第56回宮古島市平良地域戦没者追悼式が、字下里(馬場)の慰霊之塔で開かれた。参加した遺族や下地敏彦市長ら来賓たちは正午の時報に合わせ黙とうを行い、戦争の犠牲となった608柱の御霊(みたま)を追悼した。
川満会長は式辞の中で「年月とともに遺族も高齢化し、国民の半数以上が戦争を知らない世代となっただけに、戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継がなければならない」との思いを示すとともに「御霊の犠牲を無にしないためにも、二度とあの戦争が起こらないように、温かい社会づくりのために頑張りたい」と語った。
下地市長は「戦後65年目を迎え、改めて戦没者の犠牲の重さを受け止め、あの悲惨な沖縄戦の体験を風化させることなく後世に継承し、世界の恒久平和を目指して、より一層努めることを誓う」と決意を述べた。市議会の下地明議長は「恒久平和を希求する心を発信することが沖縄県民の務め。市議会としても、平和と繁栄を未来永劫のものとするため、全力を傾注していく」との思いを示した。宮古福祉保健所の高江洲均所長は「世界の恒久平和確立に貢献することは私たちの責務。県としても国際社会に対し、恒久平和の発信拠点となるよう努めていく」と語った。
川満会長や来賓による献花に続き、一般参加者による焼香が行われ、遺族らは手を合わせ戦没者の冥福を祈るとともに、戦争のない平和な世界を願った。