住民、小規模の良さ訴え/学校規模適正化で意見聴取
宮原地区教育懇談会
宮古島市教育委員会は12日、とびとり会館(宮原公民館)で宮原地区の住民を対象に教育懇談会を開いた。少子化による児童・生徒数の減少に伴い学校の小規模化に一層進むことが予想されることから、学校の規模適正化に関する地域の意見を聴取しようと開催した。
委員会は「統廃合は全く白紙」と強調したものの、出席した保護者や地域住民らは「宮原小は地域に溶け込んでおり、小規模校ならではの良さがある。児童がいる限り存続するべきだ」と統廃合に強い危機感を示した。
現在、宮原小学校には16人が在籍、3、4年生と5、6年生が複式学級。
出席者からは「児童が少ないから統廃合するのではなく、周辺に団地などを整備して若者が戻り、児童数が増えるような対策をするべきだ」と過疎化対策の先行を訴える意見があった。また「校区に制限されることなく、自由に学校が選べるよう校区の見直しをすべきだ」との提言があった。
さらに「宮原小を縮小するのではなく、地域を発展させる方向で考えてほしい」、「宮原小ほど自然環境に恵まれた学校は少ない。この環境だからこそできる教育がある」などの意見や提言があった。
川上哲也教育長は「統廃合は白紙の状態。懇談会で出た意見を検討委員会にあげて議論のたたき台にしていきたい」と理解を求めた。教育懇談会は大神、島尻、福嶺学区に次いで4回目の開催。
2010年度の施政方針で下地敏彦市長は「少子化による児童・生徒の減少が著しい地域を対象に、子どもたちの将来を見据えた教育環境の在り方について、学校の統廃合も含め検討する」と発表した。これを受け、旧市町村からの代表や有識者など14人で構成する小中学校の規模適正化を図る検討委員会が4月に設置された。
同委員会は中長期的な視点に立った学校規模の適正化を検討する。このため、学校の果たす地域への役割について意見を聞き、検討委員会を通して市の教育行政に反映させる考え。