夜型社会の是正を/深夜はいかい、飲酒防止大会に700人
大人が与える影響指摘
「青少年の深夜はいかい防止」と「未成年者飲酒防止」県民一斉行動市民大会(主催・宮古島市など)が9日、北小体育館で開催された。採択された大会宣言では「夜型社会が、青少年の深夜はいかいを助長している」と大人の行動が子どもに与える影響を指摘。街頭パレードでは、より良い社会づくりへ市民総ぐるみの活動を訴えた。
大会には市内の小中高校生や青少年健全育成に携わる関係者ら700人(主催者発表)が参加した。
宮古島管内では今年なって未成年者の集団飲酒が多発、大人の飲酒運転や飲酒絡みの事件、事故も増えている。
事態を重くみた市では、今月20日に「飲酒関連事件増加非常事態宣言」(仮称)を行う予定で、飲酒社会の実態が改めて浮き彫りとなっている。
大会で下地敏彦市長(代読・長濱政治副市長)は「自らのまちを守るため、大人一人一人が青少年の模範となるよう努めよう」と呼び掛け。黒島師範県宮古事務所長が仲井真弘多知事のメッセージを読み上げた。
島袋令宮古島署長は、6月末現在で飲酒で補導された少年は69人で全体の補導件数の9.6%を占めていると報告。県全体(5月末)と比べて2.3倍の高い数値だとして警鐘を鳴らした。
意見発表では楚南早紀さん(西辺中1年)と砂川勇助君(宮古高校2年)が仲間たちや大人に対し、飲酒や深夜はいかいがもたらす悪影響などを訴え、改善を呼び掛けた。
大会宣言では、地域や家庭における教育機能の低下や夜型社会の風潮を指摘。このことが青少年の深夜はいかいを助長し、青少年の犯罪、交通事故等の大きな要因になっているとして▽親子の対話▽シンデレラタイムの励行-などを強調した。
平良中心地をめぐる街頭パレードも実施。参加者らは「夜は家で家族と過ごそう」「お酒は20歳になってから」などと書かれたプラカードを掲げ、より良い環境づくりに向けた市民総ぐるみの活動を訴えた。
◎大会宣言
青少年が心豊かな人間性を培い、心身ともにたくましく成長することは全市民の願いであり責務である。
しかるに、地域や家庭における教育機能の低下、また沖縄の「夜型社会」の風潮は本格的非行への入口といえる青少年の深夜はいかいを助長し、青少年犯罪、交通事故等の大きな要因となっている。
我々は、この大会において、青少年の深夜はいかいを防止し事件、事故等から守るために市民総ぐるみで青少年非行防止活動を展開するとともに、青少年を有害環境から守り、より良い育成の環境を実現するため次の事項を宣言する。
一、青少年の深夜はいかいをなくし交通事故、飲酒、喫煙、薬物乱用等の問題行動を阻止しよう。
一、思いやりのある、心豊かな青少年を育成し、いじめをなくそう。
一、親子の対話を多く持ち、温もりのある家庭づくりに努めよう。
一、地域ボランティア活動に積極的に参加し、友愛と連帯の輪を広げる青少年を育成しよう。
一、深夜はいかいをしている青少年への「愛の一声」運動を展開しよう。
一、大人はシンデレラタイムを励行し、夜型社会を是正しよう。