女性の無罪確定/自動車運転過失致死
福岡高検那覇支部/上告断念を決定
平良港近くの国道で、酒気帯び運転でオートバイと接触し後部座席に乗っていた男子高校生を死亡させた自動車運転過失致死罪などで起訴され、福岡高等裁判所那覇支部で逆転無罪判決が言い渡された女性(43)=市伊良部字前里添=について、福岡高等検察庁那覇支部は31日、上告しないことを決めた。これにより女性の無罪が確定する。
事故は2008年11月、国道390号の平良字下里108番地付近の交差点で、軽自動車がオートバイと衝突事故を起こしオートバイの後部座席に乗っていた男子高校生(当時17歳)が死亡した。
一審で弁護側は、事故当時は同乗していた女性の長女(当時15歳)が運転していたと主張。それに対し那覇地裁平良支部は「女性が運転していたことは十分推認できる」として懲役3年の実刑判決を下した。しかし、二審で福岡高等裁判所那覇支部は、自動車運転過失致死について「女性の運転事実を認めるには合理的な疑いが残る」と一審判決を破棄し無罪を8月17日に言い渡した。
上告期限となる31日、福岡高検那覇支部は上告しないことを決めた。それについて同支部の上野友慈支部長は「判決の内容を検討し、福岡高検本庁とも協議したが、適切な上告理由を見い出すことは困難であると判断し、上告しないことになった」とコメントした。