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社会・全般
2010年9月18日(土)20:00

尖閣諸島

「尖閣諸島は日本の領土である」-李登輝氏(当時、台湾前総統)が沖縄の記者に語った言葉だ(2002年9月24日「沖縄タイムス」)。もっとも、翌日、台湾当局外交部は「尖閣は中華民国の管轄だ」と反論したとのこと。
  
▼ そもそも、台湾や中国が「尖閣諸島は中国のもの」と言い出したのは1970年。その前年、国連アジア極東経済委員会は「尖閣諸島付近の大陸棚には石油が埋蔵されている可能性がある」との調査報告書を公表していた
 
▼中国(台湾を含めて)の主張に対し、日本の5大新聞紙の社説、共産党を含む全政党の声明は「尖閣諸島は日本固有の領土である」として一斉に反ばく。以後、両国の主張は対立したままだ
 
▼その間、1996年に成立した国連海洋法条約は、ガチンコ対決を強めることに。自国領土の沿岸から200カイリの海域を「排他的経済水域」として認めたためだ。尖閣を領有する国が東シナ海を支配することになり、領有権は一歩も譲れない状況に
 
▼とはいえ、武力の行使による領有権争いは禍根を残す。これを避けるためには、領土主権という妥協しにくい争点を棚上げして、実務的に双方の国益を調整する手法を模索する必要がある。現に、2000年に発効した日中漁業協定は、相互乗り入れが可能な「暫定水域」を設定するなどの手法を採っている
 
▼ただ、問題は尖閣周辺が除外されている点だ。北緯27度以南の海洋資源管理については、「日中漁業共同委員会」を設置して引き続き話し合うことになった。話し合いの場は設置済みだ。


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