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社会・全般
日米中の行動様式(行雲流水)
日米中の人々の考えや行動の違いを理解することは、今後ますます重要なことになると思われる。そんなとき、外務省勤務のあと、米国のシリコンバレーや上海の駐在等の経験をもとに山本成一が著わした『鷲の人、龍の人、桜の人』が参考になる
▼それによると、米国人の行動様式は「すべてのことにスタンダード(基準)を作って、それを守り、守らせる」ことである。アメリカ社会は多様な人たちからなっているから有無を言わせず受け入れられる基準が必要となろう。数値化された能力という基準でドライな格差をつけることもその一つである▼一方で中国は「基準」よりも「1対1の人間関係のネットワーク」を大切にする。この百年外国の干渉や国内の混乱があって、国とか組織よりも人間関係が頼りにされてきたという事情がある。社会も法治よりも人治(政治)である▼歴史上も国際法上も領海である尖閣諸島付近での不法行為を司法が取り締まるのは法治国家として当然だが、中国の要求は不当であるばかりでなく、統治感覚にも違和感を抱かせる▼ところで、日本は「基準」や「人間関係」よりも「場」を大切にしてきた。場が成立するための必要条件が「和」である。勝手な基準を持ち込むのでなく、個人的人間関係を持ち込むのでもない。そこでは、人の力を和でもって結集する▼力で世界を席巻する「鷲」に屈せず、時に蛇になる「龍」の挑発に惑わされることなく、みんなが「桜」を愛でることのできる国でありたい。