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社会・全般
猪子立子さん(47歳)/「てぃだの郷」代表取締役
宮古観光のキーワードは”体感”
全国バスガイド協会からおくられるゴールドバッジを有し、奈良県を中心に全国のバスガイドを生業としてきた。7年前、郷里の伊良部島に帰り、ホテル業を任されることになる。「観光は、その地域が何を守っているかをうまく引き出すことによって成功すると思う。宮古の観光は、見るというより感じる、精神世界を体感してもらうことではないだろうか」と話す。
高校卒業後、奈良観光に入社、バスガイドの養成講座を受けながら関西一円、九州、関東に至るまで場数を踏んできた。「その地域の歴史・文化を丸ごと把握していなければ務まらないし、観光はガイドの一言で左右されると言っても過言ではない」と話し、現地ガイドの大切さを語る。こうして5年目には指導者の資格を習得、関西一円のガイドブック作成を任されるまでになった。
郷里に帰るきっかけは、当時、伊良部町が運営していたホテル「てぃだの郷」の経営にあった。合併後、指定管理となった同ホテルの代表取締役に就任したことで本格的にホテル業に取り組むことになる。「本当は、本業のバスガイド養成校をつくりたいのに、こんなことになってしまった」と苦笑する。
宮古観光のキーワードは「体感すること」として、昨年から新しい試みを始めた。島の旧暦9月の祭り「ユークイ」を観光客に体験してもらおうというもの。「見るためには、地元で供物の酒を買ってもらい、線香も準備してもらう。御嶽に入る前のマナーをしっかりレクチャーし、神女たちの邪魔にならないようにする。宮古の精神文化を体験することで観光客も癒される。今年はリピーターの口コミで、既にホテルの予約は満杯です」
予約客の中には、世界的なカラーコーディネーターの主宰する「オーラソーマ(聖なる旅)」の客40人の団体も含まれており、「いよいよ宮古が、世界から注目される観光地になるかもしれませんよ」と笑みをこぼす。宮古の神さまは決して閉鎖的ではないと話し、6年前から携わるFMみやこのラジオパーソナリティーとしても宮古の精神文化の豊かさを伝えている。
猪子 立子(いのこ りつこ)昭和37年12月10日、伊良部字長浜に生れ、2歳で那覇へ。中学生で島に戻り、宮古工業高校に入学。卒業後、奈良観光に就職。バスガイドとして22年間勤め、2004年伊良部島へ帰る。1男1女の母親。