仲原地下ダムが着工/国営かんがい排水事業
ビッグプロジェクト本格化
宮古伊良部地区国営かんがい排水事業で、仲原地下ダムが着工した。沖縄総合事務局がこのほど、止水壁の一部の工事を発注し間組・大城組JV(共同企業体)が落札した。落札額は、4億1397万円。総事業費523億円のビッグプロジェクトは、仲原ダムの着工で本格化した。
地下ダムは、海に流れ出ている地下水を止水壁でせき止めてためる構造。今回は止水壁の計画延長2350㍍のうち、126㍍を発注した。場所は城辺友利地内。有効貯水量は920万㌧と、宮古の既存3、計画2の5ダムのうち最大規模となる。
宮古伊良部地区国営かんがい排水事業は、宮古島における十分なかんがい用水の確保や、伊良部島での宮古島と同様な水利用農業の実現を目的とする。
伊良部島への水は、仲原ダムから建設中の伊良部大橋を通して送る。
同事業では仲原ダムのほかに、保良ダムや牧山ファームボンド(伊良部)、宮古吐水槽(野原岳)などを整備する。
仲原ダムの水は宮古吐水槽にためて、牧山ファームポンドに自然流下させる設計。用水路は、約55㌔を敷設する。工期は2009年~2020年までの12年間を予定している。
ダム別の有効貯水量は既存の砂川が680万㌧、福里760万㌧、皆福40万㌧、新たに整備する仲原が920万㌧、保良160万㌧で合計2560万㌧。サトウキビや施設野菜、果樹などに年中使える水量確保が可能になるという。