「サシバは島の宝」/伊良部小、中学校
「渡り」控え学習会
寒露の時季に訪れる秋の使者・サシバの本格的な渡りを控え、伊良部小学校、同中学校で3日、サシバに関する学習会があった。伊良部高校教頭で宮古野鳥の会会長の岡徹さんを講師に招き、児童生徒が伊良部島の自然やサシバの渡りに関する知識を深めた。中学生は伊良部島内で車両パレードを実施。多くの市民に国際保護鳥に指定されているサシバの保護を訴えた。
岡さんは、各校で伊良部島の優れた自然環境を強調した。野鳥をはじめイタチやキリギリス、コウモリ、ツバメなど多種多様な生物を紹介し「皆さんが住むこの島はサンゴ礁でできており、その自然環境は素晴らしい」と多くの生物が共存する島の自然環境を誇るよう呼び掛けた。
サシバの個体を見分ける方法として▽腹の模様が縦なら幼鳥▽腹の模様が横なら成長―と紹介。秋には北から南に移動し、春には南から北に北上する生態なども説明した。
小学校児童会長の池間円花さんは「今まで知らなかった伊良部島の自然やサシバを知ることができた。もっと知りたくなった」と感謝を込めて話した。
中学生は岡さんの話を聞いた後に▽島の宝であるサシバの保護を広く地域に発信する▽サシバが安心して休息できる伊良部島の環境保護と継承に努める▽常に今できることは何かを考えることのできる生徒になるよう努める―と誓った。
保護集会の後にパレードを開始。出発式で生徒会長の渡久山翔悟君が「島全体をパレードし、広報マイクを通してサシバの保護を訴えたい。岡先生から学んだことも同時に伝えていこう」と全校生徒に呼び掛けた。
パレードが始まると複数の車両に便乗した生徒たちが広報マイクを握って「サシバは伊良部島の宝」などとサシバと自然環境の保護を力強く訴えた。