「まずは学校存続検討を」/西辺で教育懇談会
統廃合や校区見直しに反対の声
市教育委員会は6日、西原公民館で「西辺地区教育懇談会」を開催した。学校統廃合や校区の見直しなどで地域住民の意見を聞き、将来的な合意形成を図ることが目的。だが、出席者からは「どうすれば児童数が増えるのか、まずは存続に向けての検討をすべき」との声が上がるなど、統廃合や校区の見直しに反対する意見が相次いだ。
校区の見直しで意見を述べた女性は「ミャークヅツやユークイなど、先輩たちが築いてきた西辺特有の文化が消えていくのではないか」と地域文化の衰退に強い危機感を示した。
出席した男性は「校区の変更は、統廃合を進めるための方策ではないか。どうすれば児童数が増えるのか、まずはその検討をし、地域が望んでいる方向に進めていくべきだ」、PTAの男性は「仮に西辺地区周辺の地域が、西辺の校区に吸収されることに反対すれば強制的にするのか」など、懇談会が統廃合を視野に進められていることに懸念を示した。
別の男性は「学校があって地域があるという共通認識で成り立っている。(統廃合や校区の変更は)地元出身者が地域に戻ろうとする機会が失われてしまう」と発言した。
また出席者からは、校区変更に対しての事務手続きが「複雑で面倒である」と指摘。「(校区に縛られず)保護者が子どもを通わせたいという学校を許可してあげることが必要」との声も上がった。
「統廃合ではなく存続でという話し合いは行われたのか」「適正規模校にすれば子どもにとって本当に良い環境になるのか」などという意見も出た。
「そもそもなぜ学校規模の適正化か、市の財政状況なのか」との質問に対し、市教育委員会の与那嶺大参事は、合併算定替による交付税額約31億円が2016年度以降、5年間で段階的に削減されることや、国に小規模校の校舎建て替え計画を認めてもらえるかなど、将来的な財政面での懸念材料を説明。その上で「大規模校、小規模校ともにメリット、デメリットはある。学校が無くなれば、地域も無くなってしまうという声もある。いろいろあるが、どうすれば子どものためになるかを前提に考えてほしい」と語った。
懇談会の冒頭、あいさつした川上哲也教育長は「教育は国家百年の大計と言われる。知恵を出し合って、より良いものに進めていきたい」と述べた。
地域住民やPTA、学校関係者ら約40人が参加した。