パーントゥ3匹現る/国指定文化財
泥を塗り厄払い
国指定重要無形民俗文化財の奇祭「パーントゥ」が18日、島尻地区で行われた。体中に泥を塗り仮面をかぶったパーントゥ3匹が、住民らに泥を塗りたくって厄除け、招福した。集落内は、泥を塗られた人の「キャーッ」「ウワーッ」の悲鳴が響き渡っていた。きょう19日も行われる。
この日の夕暮れ、親子連れや観光客らが3匹が現れるのを待った。
3匹は仮面を付け、泥だらけのつる性の植物を身にまとい、つえを持ち、裸足のいでたちで出現した。
見物人らは「パーントゥが、来たぞ」と騒ぎ立てた。中には恐怖心から逃げ回る子どももいた。パーントゥは追い掛け、捕まえた人に容赦なく泥を塗った。
新生児と新築家は泥を塗ってもらうのが習わし。パーントゥは新生児の顔には優しく泥を付けた。新築家に上がり込むと、壁などに泥を塗り、家主から祝い酒のもてなしを受けた。
仲里長造自治会長は「今後ともパーントゥを大事に守り、次世代に引き継いでいきたい」と語った。
パーントゥ 数百年前に島尻でクバマと呼ばれる西海岸に黒と赤の仮面が漂着した。村人はこの仮面は海のかなたから訪れた来訪神と崇敬した。男が仮面をかぶって集落内を駆け回ったのが由来と伝えられている。