東平安名崎を追加指定/国指定名勝
パナリ岩礁含む周辺海域
国の文化審議会文化財分科会(西原鈴子会長)は19日、国指定名勝の東平安名崎に、パナリ岩礁を含む周辺海域を追加指定するよう高木義明文部科学相に答申した。近く答申通り指定される見通し。
同崎は2007年に陸地部分のみが名勝に指定されたが、今回は離礁上の巨大岩塊をも含む周辺海域を追加指定し、名勝の価値をより高め陸海域ともに広く保護しようとするもの。
下地敏彦市長は「東平安名崎は海域もセットになってこそ、自然景観の価値が高まる。環境保護を重点に追加指定されたのは喜ばしい。今後も貴重な自然景観の保存、活用を図っていきたい」と述べた。
東平安名崎保存管理計画策定委員会の久貝勝盛委員長は「東平安名崎は青い空、青い海、砂浜、アジサシ類の乱舞、星空が宮古ならではの光景で素晴らしい。岬全域が名勝として国からお墨付きをいただいたようなもの。さまざまな波及効果につながる」と喜んだ。
東平安名崎は、細長く突き出た全長約2㌔、幅約120~250㍍の琉球石灰岩のカルスト地形に固有の海岸性植物群落が展開する景勝地として知られる。
岬周辺の海域はサンゴ礁に覆われ、東方海域には東西約2㌔、南北約1㌔にわたり、楕円状のサンゴ礁が形成されている。
海岸近くには、岬の急な崖から崩落したものと見られる岩の塊が散在。特に岬の先端部周辺には「津波石」と名付けられた巨大な岩の塊が存在するほか、東方海域の「パナリ」の離礁上にも巨大な岩の塊が点在する。
陸部には、県指定の天然記念物テンノウメ群落のほか、マムヤの墓地とされる巨大な岩も残されている。
東平安名﨑は日本都市公園百選に選定されており、宮古島随一の観光名所となっている。
県内ではそのほか、西原町の「内間御殿」が国史跡に指定された。
宮古での国指定名勝は東平安名崎のほか、下地島の通り池も2006年に指定されている。