地域資源で事業創出を/シマおこし研修交流会
事例報告などで提言
シマおこし研修交流会in宮古島(共催・市、県地域づくりネットワーク、内閣府沖縄総合事務局)が20日、下地農村環境改善センターを主会場に始まった。きょう21日まで。初日の全体会で基調講演した久留米大学の伊佐淳教授は、地域資源を生かしたコミュニティービジネスによる島おこしを提言。パネルディスカッションでは、住民を同ビジネスに巻き込んで成功した事例などを報告した。分科会は20、21の両日城辺、島尻、伊良部の3地区で行われる。
宮古島での宿泊交流研修会は、今回が初めて。島内外から住民参加型のビジネスを起こしている人や関係者ら約70人が参加した。
席上、下地敏彦市長は「宮古島市では、農村部の人口減少に歯止めが掛かっていない。今後、都市と農村部の均衡ある発展に取り組んでいく。今回の研修会が当市の課題解決の大きな力になるよう提言をお願いしたい」とあいさつした。
伊佐教授は、地域の人々が中心となって地域の活性化を目指すコミュニティービジネスは「新たな実践者とネットワークづくり」がポイントになると強調。新たな実践者(リーダー)が、地域住民を巻き込んで、生ごみを堆肥化するビジネスに成功した佐賀県の事例を紹介した。
リーダーにはよそ者、若者、変わり者の3タイプがあるとし、地域のためにと熱い思いを持つ人の登場に期待を寄せた。
給料は社会貢献的な仕事であっても、きちんと払うよう助言。ネットワークは①広報誌やマスコミによる活動の紹介②勉強会の開催③住民の声を聞く-などによって広がるとした。
パネルディスカッションは「地域住民をビジネスにどう巻き込むか」をテーマに行われた。
修学旅行生の民泊を受け入れている「ぐすくべグリーン・ツーリズムさるかの会」の松原敬子事務局長は当初、各家庭を訪ねお願いして31戸の農家で始めた事業が、現在は95戸にまで増えた成功事例を紹介。
読谷村商工観光課の山内嘉親さんは、トウガンの加工事業などの体験から「信頼がないと住民はついてこない」と強調した。
フロアからは「事業展開は行政と協力を」「時間をかけ、話し合いを持ち、情報を共有することが住民を巻き込む秘訣」などの声があった。