明和大津波以前に大地震14回
華段丘3300年前から形成/小元元教授が報告
日本大学元教授で地質に詳しい小元久仁夫さんの宮古島地形調査最終報告会が29日、市役所城辺庁舎であり、「宮古島平安名岬マイバーバマから採取した津波石の暦年代」と「宮古島宮渡崎太陽泉で観察される石灰華段丘の形質年代」の2題で発表した。小元さんは「岩塊の測定結果から、宮古には明和大津波があった1771年以前に14回の大きな地震があったと推定される。規模は分からない。石灰華段丘は、3300年前から形成され始めたと推定される」と述べた。1771年以前の地震年代は、今後文献史料と照合する上で、貴重な参考資料になりそうだ。
小元さんは「マイバーバマのハマサンゴ岩塊はほかの岩塊とともに大地震によるラグーン底から分離され、打ち上げられた津波石である可能性が高い。今後マイバーバマに分布する多くのハマサンゴ岩塊を測定すればある年代の範囲内が分かる」と話した。
その上で、1771年以前の地震の推定年代については、1633年、1576年、1488年、1399年、1325年、1229年、1141年などと説明した。大津波の周期・再来周期は、約80年、約140年、約200年および約370年と推定。
小元さんは、「1633年の津波の推定年代は、史実にある1671年の津波の記録と誤差範囲で一致する」と語った。