活車エビを初出荷/宮古島漁協
築地市場などへ150㌔
東京都、愛知県、大阪府、京都府、福岡県の各公設市場への上場に向け、宮古島漁協(小禄貴英組合長)は1日、自営の高野車海老養殖場で育成する活車エビ計150㌔を初出荷した。今冬の初荷セレモニーで、小禄組合長や県、市の関係者らが、きょう2日早朝の市場入札に上場されることから、安全輸送と高品質の高値を願った。今期の車エビ生産は前期より500㌔少ない22・5㌧を見込む。
1997年度に車エビ養殖事業はスタートし、今年で13年。順調な生産が推移し、2002年度には34㌧の好記録を達成した。その後、車エビの生育不良などで11㌧まで落ち込んだ。砂の入れ替えで育成対策を強化。その結果、07年度以降は安定的に20㌧以上の生産実績を上げた。
初出荷した車エビは昨年6月、久米島から卵を仕入れてふ化させ、7月に養殖池2カ所に放流し育成したもの。全長約16㌢。45匹ほどで重さは1㌔。6月までの育成期中には、最大全長が約23㌢となり、18匹の重量が1㌔となる。
車エビは、化粧箱の木くずで覆われ、12度保冷で仮眠状態のまま出荷された。
セレモニーで、小禄組合長は「経済不況の影響で車エビ価格は低迷。しかし、東京都の築地市場の入札では、毎年上位にランクされるので、高値が期待される」と述べた。
次いで宮古農林水産振興センターの砂川正幸所長は「昨年度は、地域活性化生活対策支援臨時交付金で、2号池の改修が行われた。来年度からは養殖池全面が使用可能となり、30㌧の生産が見込まれる。これからお歳暮商材・年末年始の食材としてアピールしたい」と語った。
長浜政治副市長は「漁協の再建の一翼を担うのが車エビ養殖。市場では高い品質の評価を得ており、高値の取引に期待する」と話した。