黒糖の香りで研究成果/キビ利用加工研究会
周年生産の可能性も
九州、沖縄の農業研究センターの研究員や琉大の教授らで構成するサトウキビ利用加工研究会が1日、県宮古合同庁舎で開かれた。宮古島開催は、初めて。同会では、黒糖の強い香りをいかに消費者に届けるかや、周年生産、キビの輪作としてのソバの可能性などについて研究成果を発表した。
県農業研究センター宮古島支所の前田剛希さんは、黒糖を周年生産すると、香りと味の良い黒糖が出荷できるとし、新鮮さで勝負する必要性を強調。生産できる時期の目安については、9月~6月ごろを示した。
同センターの広瀬直人さんは、県内3カ所の工場で香りを逃がさない装置を使い、強い香りの黒糖を生産している事例を紹介。
九州沖縄農業研究センターの氏原邦博さんは、県内7島の黒糖の味を食味センサーで調べ、味と成分に関係があることを突き止めた。酸味は乳酸、苦みはマグネシウムやカルシウムが影響している分析結果を発表。味の好みは人それぞれ、香りが重視される料理にも使い分けが必要とし、特性のある多種類の黒糖開発に期待した。
研究会の事務局も務める氏原さんは「外国産との差別化のためにも、付加価値の高い黒糖生産は欠かせない」と話した。
ソバについては、サトウキビとの輪作で、春ソバとして出荷できる可能性が示された。