尖閣諸島漁場へ出港/伊良部漁協所属の第五喜翁丸
今朝から操業開始 巡視艇が監視強化
日本・中国・台湾が尖閣諸島の領有権問題などで揺れる中、伊良部漁協所属の第五喜翁丸(9・9㌧、漢那一浩船長ら乗組員7人)が1日午後4時ごろ、同諸島に向け佐良浜漁港から出港した。きょう2日夜明けから、石垣海上保安部の巡視艇が監視する中で、一本釣りウブシュウ(和名スマ)の操業が展開される。今冬、県内で同諸島周辺海域で操業するのは、第五喜翁丸が初めてとされる。
乗組員は、船長の漢那さん(62)のほかに、仲村渠繁さん(75)、伊舎堂武雄さん(69)、池間克治さん(57)、浜川輝一さん(56)、池間豊次さん(52)、漢那竜也さん(35)。
喜翁丸はFRP(強化プラスチック)船で、建造から今年で40年。初出漁以来、毎年12月~年明け2月までの3カ月間、同諸島周辺で操業している。
尖閣諸島は、魚釣島、久場島(別名黄尾嶼など)、大正島(別名赤尾嶼など)、北小島、南小島の5島と3岩礁の総称。佐良浜の方言では「ウコン」と総称している。
喜翁丸は、伊良部島北西約163㌔に位置する黄尾嶼周辺の漁場で操業する。漁場までの航行時間が13時間かかることから、2日午前5時ごろに漁場に到着する見通し。
ウブシュウの魚群が見つからない場合は、魚釣島周辺の漁場へ針路を変える予定。
船長の漢那さんは「安全航海が第一。尖閣諸島周辺海域は、昔から佐良浜漁民が中心になって操業してきた。生活の場である。ウブシュウは荒波にもまれると身が引き締まり、おいしい。市民に、新鮮なウブシュウを販売したい」と語った。