旅客輸送来年1月開始/琉球海運
貨物船で潜水病患者ら対象 航路再開の突破口へ期待
琉球海運(本社・那覇市)の山城博美社長は16日、市役所平良庁舎に下地敏彦市長を訪ね、先島航路貨物船での旅客輸送を来年1月10日から開始すると報告した。対象者は潜水病などの身体的理由で航空機に乗れない人たち。同社が保有する大型貨物船2隻で対応する。下地市長は「非常にありがたい」と述べ、旅客船航路再開の突破口になると期待した。
先島5市町村で構成する「美ぎ島美しゃ市町村会」が、沖縄本島-宮古・石垣間の旅客航路が停止していることを踏まえ同社に要請していた。
貨物船室の一部を提供し、平良港-那覇港、石垣港-那覇港、平良港-石垣港の週2便運航する。
人員は貨物船のしゅれい(6562㌧)が4人、にらいかない(5724㌧)は2人。利用者は医師の診断書が必要。運賃は無料だが、乗下船の際、本船乗務員や代理店が誘導・案内するため利用料として5000円を負担する。
同社は、内閣府沖縄総合事務局運輸部と協議し「特定の者の需要に応じ、特定の範囲の人の運送をする貨物定期航路事業」の届出を行った。
16日に県庁で記者会見した山城社長は「県内の潜水病患者は約2000人いると聞いている。今回の事業で身体的弱者の救済や観光事業振興の一助になればうれしい」と話した。