止水壁工事に着手/仲原地下ダム
削孔機現場に入る
宮古伊良部地区国営かんがい排水事業で建設が進められている仲原地下ダムは、削孔機(穴を掘る機械)による止水壁築造工事に入った。現場には、削孔ドリルを備えた高さ約30㍍の削孔機がそびえ立つ。仲原ダムの有効貯水量は920万㌧と既存3(砂川、福里、皆福)、計画2(仲原、保良)の5ダム中最大規模。同事業は将来、島中に水が行き渡っても年中使える十分な水量確保と、伊良部への送水を目的とする。
地下ダムは、海に流出している地下水を止水壁でせき止めてためる構造。止水壁は、削孔ドリルで石灰岩を砕きながら孔をくっつけるように掘り進め、削孔後セメントミルクを注入して造る。先端を行くこの特殊技術は、世界から注目を集めているという。
仲原ダムの場所は、城辺の友利地内。2010年度では、止水壁の総延長2350㍍のうち、126㍍の工事(事業費約4億1000万円)を発注した。
宮古伊良部地区国営かんがい排水事業では仲原ダム(有効貯水量920万㌧)と保良ダム(同160万㌧)を新たに建設。既存の砂川(同680万㌧)と福里(同760万㌧)、皆福(同40万㌧)を合わせた総有効貯水量は2560万㌧となり、現在の1・7倍に増える。
宮古における国営かんがい排水事業は、1971年の186日間に及ぶ大干ばつがきっかけとなった。宮古地区を対象に87年に着工した第1次は、2000年に完工。第2次の宮古伊良部地区は、2009年4月に着工した。総事業費523億円のビックプロジェクトは、仲原ダム建設と、伊良部導水管敷設が始まり、本格化した。