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社会・全般
2011年1月1日(土)9:08

247億円投じる/伊良部大橋、着工から5年

2013年3月完成へ


伊良部島に向け順調に工事が進められている橋梁(上部工)。緩やかなカーブを描いている=宮古本島側

伊良部島に向け順調に工事が進められている橋梁(上部工)。緩やかなカーブを描いている=宮古本島側

 伊良部大橋建設工事は2006年3月着工から今年で5年の節目を迎える。当初の総事業費320億円ベースで、今年度までに77%、事業費にして247億5000万円となる。宮古本島側の橋梁(上部工)は12年3月ごろに完成する予定。13年3月の本体完成に向け、工事は伊良部島側へ移動していく。


 大橋は、伊良部島と宮古本島を結ぶ離島架橋。橋梁と海中道路を併用した構造となっている。総延長4310㍍、このうち本橋部が3540㍍、取付橋梁170㍍。海中道路は伊良部島側に2本あり計600㍍。橋の幅は8・5㍍あり、3㍍車道が2車線、1・25㍍の路肩が左右に整備される計画。

 橋梁工事は宮古本島側から着手した。12年3月の完成後、本土で製作中の主航路橋梁(420㍍)が連結され、そこの先端から伊良部島への橋梁工事が本格化する。主航路橋梁の設置は同年4月以降の好天に行われる見通し。

 橋梁工事に先行して進められていた仮桟橋は既に完了し、一部は撤去されている。

新春インタビュー
大浦貞治さん(58)/爬龍舟大レースの初代実行委員長


過去の諸活動を懐かしむ大浦さん

過去の諸活動を懐かしむ大浦さん

■旅客船で出産

 23年前の1988年、伊良部町商工会青年部長に就任した。35歳。
 「会員の女房が、伊良部~平良間を結ぶ旅客船で出産した。伊良部には産婦人科がない。町民の生命を守るためには、伊良部架橋の実現しかないと思った。さらに平良の高校に船で通っている生徒たちは、海上がしけると、旅客船が運休するから学校を休んだ。これでは学力向上にならない。子どもたちのためにも架橋が必要だった」と振り返る。
 

■爬龍舟大レース

 大浦さんは、伊良部架橋早期実現爬龍舟大レースを企画。イベントの実施に向けては宮古商工会議所青年部など5団体の代表から快諾を得た。大浦さんが初代実行委員長に就任。こうして荷川取漁港スタート・佐良浜漁港ゴールの7㌔で大レースは開催された。爬龍舟5隻が競った。マスコミがイベントに飛び付き、県内外に広くアピールした。
 91年、大レースは佐良浜漁港スタート・平良のパイナガマビーチ折り返しの約㌔コースに変更した。同年以降、大レースが宮古市町村会の国・県への要請活動を後押しするようになった。大レースの参加チームは、最多で19チーム。

■架橋友の会結成

 「国・県に伊良部架橋の早期実現を要請しようと、青年たちと話し合った。97年、要請組織として『架橋友の会』を結成し、初代会長に選ばれた。会員らは、模合い(頼母子講)で活動資金を貯めた。
 大浦さんは「行政からの支援はなかった」と言い切る。
 

■国に要請活動
 
 99年、国・県に3回目の要請を行った。これまで国・県ともに相手にしなかった。
 「当時は自民党の野中広務氏が官房長官、山中貞則氏が税務政調会長、鈴木宗男氏が沖縄開発庁長官、下地幹郎氏が政務次官だった。鈴木長官が沖縄開発庁から国の関係者に電話を入れ『遠い所から青年たちが来て、伊良部架橋早期実現を要請している。青年たちは、自腹を切っての要請である』などと伝えた。この年、国は初めて伊良部架橋の調査費300万円を計上した。架橋友の会で喜ぶを分かち合った」と回想する。
 

■1500万円の調査費

 「2000年、国の予算に1500万円の調査費が計上された。予算額が大きかったので、びっくりした。『伊良部架橋は現実味を帯びてきた。実現するかもしれない』と思った。うれしくてたまらなかった。今でも野中、山中、鈴木、下地の4氏には感謝でいっぱい。4氏の力で、伊良部大橋は着工に向けて動き出した」と強調し、建設中の伊良部大橋の無事故・無災害を願う。

■大橋完成控え、新たな取り組みへ

 大浦さんは会社を経営する旁ら、市伊良部商工会長の要職に就く。会長職は今年で3年。「2013年3月に完成する伊良部大橋を控え、商工会として活発な人的交流・物流に向けて新たな事業を展開したい」と意欲を示す。


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