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社会・全般
『宮古研究』(行雲流水)
「日本や世界にはこれほど多くの面白い話があるのにわが宮古島には何もないのか」と児童の一人が質問した。慶世村恒任が七原小(現鏡原小)で代用教員していた大正10年のことだ
▼この質問が動機となり同僚に諮って『島物語』第一編を世に出した。慶世村は7歳の時父と死別、祖母と母に育てられた。祖母は折に触れ郷土の神話・伝説を語り聞かせた。成長するに及び郷土史録を慕う念が募り、『宮古史伝』(昭和2年)を著す誘因になったという
▼30年後、稲村賢敷は『宮古島庶民史』を著した。宮古歴史の二大名著といわれ、多くの人々が接している。慶世村は37歳、稲村は83歳で他界する。慶世村は稲村の3年先輩にあたる
▼県立図書館宮古分館(当時)は73年「郷土史を学ぶ会」を開催。講師は下地馨。翌74年も開催。講師は宮国定徳。受講生の思いが宮古郷土史研究会を誕生させた。75年4月だ。史伝から48年、庶民史から18年。翌76年4月、宮古分館の一行事から規約・役員を定め民間団体として再発足
▼昨年設立35年を迎えた。史跡めぐり、研究発表会、郷土史講座などを開催、地域に根を下ろしてきた。会活動の情報紙「会報」は181号、会誌『宮古研究』は11号を数える。去る8日、宮古郷土史研究会設立35周年・『宮古研究』第11号発行祝賀会が催された。会誌11号も発行できたのは協賛広告に支えられたればこそと感謝していた
▼35年という息の長い活動を絶やすことなく、宮古の核の一つになってほしいものだ。