市民全体で教育の充実・発展を/教育を語る市民大会初開催
地域文化への誇り醸成大切
宮古島市の教育を語る市民大会(主催・市教育委員会、共催・市、宮古教育事務所)が19日、市中央公民館で開催された。教育フォーラムのテーマは「宮古島市の人材育成~多様な教育アプローチ~」。各界の代表がパネラーを務めたフォーラムでは地域文化への誇り醸成が、人格を育む大切な要素になることなどが強調された。
市民大会は、市民に教育への関心と理解を深めてもらうことや、学校、家庭、地域連携の下に市民全体で教育に関する取り組みを推進し、市教育の充実・発展を図る目的で開催した。
フォーラムのコーディネーターは、エフエムみやこの與那覇光秀パーソナリティー、アドバイザーが大城貞俊琉大准教授。
パネラーは、濱元雅浩氏(経済関係代表)、根間良光氏(農業関係代表)、辺土名斉朝氏(体育教育代表)、石原順子氏(家庭教育代表)、豊見山京子氏(食育代表)、平良美由紀氏(青少年教育代表)-の各氏が務めた。
濱元氏は若者の定職率や就業意欲の低下の要因には、不安定な雇用形態に加えて、若者自身に社会に出ることへの不安があると指摘。不安を取り除くためには社会で活用できる能力を身につけることが必要とし、その対応に地域との連携による実践カリキュラムの導入を求めた。
修学旅行生の農家民泊を受け入れている根間氏は「生徒が突然他人と同じ屋根の下で寝泊まりし生活を共にする民泊は、感謝の心を育てる場になっている。感謝の心を芽生えさせるのが、教育の原点なのかもしれない」と持論を披露。
宮高ラグビー部を県大会準優勝まで導いた辺土名氏は「部活動を通じて夢や目標を持つことで、自己実現を目指しながら成長できる。自分が必要とされる居場所があることも大切」と述べた。
石原氏は家庭教育に関することや、地域のお年寄りと子どもたちの交流活動などを紹介。
豊見山氏は、宮古の子どもから大人までの肥満度が県平均を上回っていることや、市の食育推進計画(仮称)の概要などを説明した。
平良氏は少年の非行概況を報告した。
大城准教授は学力向上対策報告会と、フォーラムの並行開催はいい試みだったと評価。地域の文化の良さを伝える教育や、友達や先生との絆を強めることが人格形成や学力向上に結び付くと助言した。 教育基盤については「教育は、子どもたちに夢を持たせる環境づくりをみんなでやっていくことから始まる」と強調した。