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社会・全般
子を心身共に健全に育成するために、親を訓練する親業講座の必要性
日本親業協会親業インストラクター 福里 盛雄
1 今は無資格の親が多すぎる
子が生まれると、誰も自然に親になる。親になることはそう難しいことではない。しかし、親であり続けることは、そう簡単ではないのです。親は子が一人の人間として、心身共に健全な成長を果たすべき崇高な義務と誇りを負っているのです。
社会的必要な一人の人間を育て上げるということほど、この地上における尊い務めはないと考えます。一般的には、新しい仕事に就くためには、その仕事を効率的に営むためには、知識技術を訓練によって身につけます。知識や技術を身につけていることを証明するために免許制度や資格制度が設けられています。今の社会は、何事をするにも免許や資格の有無が問題になります。ところが、子を一人前に育てるという親業については、免許や資格は要求されてはいません。今の親の多くは、無免許の親であり、無資格者なのです。
そのような無免許の親たちの子育ては、どのような方法でなされているのか、と言えば自己流でするか、他の誰かの教えに従ってしているのです。自己流や他人の教えが正しければ、それも良いでしょう。しかし、自己流や他人の教えが必ずしも正しいとは限りません。多くの親が子を自由にさせる放任主義教育に徹するか、厳しく厳格主義教育に徹するかのいずれかの方法によって子育てをするのです。
放任主義は子を自己中心でわがままな、他人に対して気配りしない性格の人間に育てて
しまう危険性を持っています。それに対して厳格主義子育ては、精神的に強く他人を自分に従わす性格の子になるか、精神的に萎縮し、自信のないおどおどした性格の子に育てる欠陥を有する。そのために世の親たちは、両方を交互に使う傾向があり、ある時は優しく、どんなことをしても怒られないし、ある時は厳しくしつける。子にとっては、親の真意が理解しがたく、混乱し、自信のない子に育ちます。そのために、健全な明るい楽しい親子関係を築くために、今や多くの国で実施されているのが親の訓練のための親業講座である。
2 親業とはどんな訓練講座でしょうか
これは、アメリカの心理学博士トマス・ゴードンによって開発され、日本をはじめ、今や多くの国で、子育てに苦心している親を支援し、親に自信を与えて、子を健全に育てることができるように考案された「PET」という講座です。
Pは親の英語の頭文字、Eは効果的という英語の頭文字、Tは子に対してどのように親は関わっていくのがよいかを適切に効果的な対処する力を親を訓練することによって付けさせる講座である。日本にも親業講座が近藤千恵日本親業協会理事長によって開設され、今や多くのインストラクターが各地方で親の訓練講座を開設しています。
子が問題を抱えている場合は、親は能動的聞き方によって問題解決を子供の責任においてなす能力をつけてあげます。子の行為が親の問題となっている場合は、「わたしメッセージ」によって問題を子の自尊を損なうことなく解決する。親子間に欲求の対立が生じた場合は、「勝負なし法」で親と子の双方に納得できる方法を知恵を出し合って見つけ出す共同作業をする。親子間に価値観の対立がある場合は、親は子に対して、自分の価値観を押しつけないで行動で模範を示すことを毎日の生活の中で実践することを心掛けることが必要である。親が親業訓練を受ければ、親も子も成長し、子の虐待や子の非行はなくなり、明るい楽しい親子関係が創造されます。そのような楽しい親子関係の中でこそ、子は社会的に存在感のある人間として成長します。今日の親たちは、知識はあるが知恵に欠けています。親業訓練によって知恵を得ましょう。