「自衛隊を誘致する会」発足/下地島空港
会長に伊志嶺朝令さん就任
下地島空港に那覇駐屯基地の陸上自衛隊第飛行隊の救急部隊・救難部隊などを誘致する「下地島に自衛隊を誘致する住民の会」が5日発足し、佐良浜の前里添多目的施設で初めて総会が開かれた。住民ら約30人が参加。会長に伊志嶺朝令さん(60)が就任した。宣言文・要請文を全会一致で採択。宮古島市で自衛隊誘致のために組織が立ち上げられたのは今回が初めて、住民の会は、今後市・県・国に要請活動を展開していく。
住民の会は、下地島に自衛隊を誘致し、日本の国防に寄与するとともに、宮古島市社会経済の発展に貢献し、もって、宮古島伊良部地域住民の住みよい社会を創造するのが目的。
活動には▽日本特に南西諸島地域における国防の在り方についての研究、学習と提言▽宮古島市および伊良部地域の経済・社会の在り方、振興の方向についての研究、学習と提言▽下地島に自衛隊基地を誘致した場合の、宮古島市および伊良部地域の社会経済に対する影響の研究と学習▽下地島への自衛隊基地誘致に関する提言と地域住民の意見の集約-などを挙げていた。
伊志嶺会長は就任あいさつで「伊良部の運命共同体である下地島空港の利活用は進展していない。自衛隊誘致の実現に向け粉骨砕身で頑張る」と決意を新たにした。
大浦貞治副会長が宣言文を読み上げ「昨年の中国漁船衝突を契機に、南西諸島海域の防衛の重要性が強調され、防衛大綱にもその重要性が明示・強調されている。また外国漁船による漁場侵犯は、尖閣諸島海域を漁場としている伊良部漁民にとって、自らの漁場を守るという意味でも決して他人ごとではない」と指摘。
その上で「下地島空港は、日本航空の撤退などで、とても有効に活用されているとは言えない状況にある。自衛隊は、いまや人命救助・災害救助・国際平和協力の面でも重要な役割を果たしており、下地島への誘致は、これら特に人命救助などの点で、地域の支えとなる」と述べてた。
誘致に向けた要請先は、宮古島市長、県知事、沖縄防衛局長、沖縄総合事務局長、陸上幕僚監部陸上幕僚長、防衛省防衛大臣、内閣総理大臣。
役員は次の通り。(敬称略)
最高顧問=仲間清昌▽会長=伊志嶺朝令▽副会長=大浦貞治