地域住民反対運動展開/上野配電塔建設
沖電「安定供給に必要」
沖縄電力が上野宮国アツヅマに建設を予定している配電塔に関する住民説明会が23日夜、上野大嶺公民館で開かれた。沖縄電力は配電塔建設の必要性と、地域住民が懸念している電磁界については基準値よりもかなり低いことなどを説明し、理解を求めた。説明会には約50人が参加したが住民の一部は納得せず、用地移転を強く求め、建設予定地に反対の立て看板を設置、署名を集めるなど反対運動を展開している。
建設予定地に隣接する素原(ソバル)地区の住民ら9人を中心に、地域住民は配電塔が建設されると、子どもたちが将来、宮古に戻っても家を建てることができなくなるなど、集落の発展がなくなると主張。また、景観が著しく阻害されるため、住民にストレスを与える原因になるなどとして予定地での建設に反対している。
反対運動を進めている住民一同の代表、砂川光輝さんは「予定地は集落の入り口で、この方向にしか発展の余地がないのに、建設されたら島を離れている子どもたちが帰ってきても家が建てられないし、電磁波も心配」と反対の理由を話した。
建設反対に署名をしている同集落の内本實さんは「われわれは建設自体に反対しているのではない。場所を移動してほしいと要求している。代替地探しには協力したい」と用地選定の再考を求めている。
一方、沖縄電力用地部用地課の宮城純課長は「電力の安定供給をするのに必要。地理的にも城辺と下地配電塔の中間に位置するので、今後の安定供給のためにも立地として適している。用地については隣接する道路の幅員が10㍍弱あり、機材の搬入や工事がやりやすい」と用地の選定理由を説明している。
また、沖縄電力広報室は「上野中心部での電力需要がすでに過重になってきている。今後、供給能力を超える可能性もあり、配電塔の建設は必要」と話した。沖縄電力は予定通り2012年10月に着工し、14年の完成を目指す。
建設予定地の面積は約1000平方㍍で、配電設備は発電所から送電される2万2000ボルトの電圧を6600ボルトまで下げ、電柱の変圧器に配電する設備。