故下地明増氏の絵画寄贈
妻の文さんが市に5点/総合博物館で保管、市民に公開へ
宮古島出身の画家で、2009年10月に91歳で他界した故下地明増氏の絵画作品5点が、明増氏の妻・文さん(88)から29日、宮古島市に寄贈された。下地敏彦市長は「宮古島に素晴らし画家がいたことを後世に伝えていきたい」との思いを示した。寄贈絵画は市総合博物館で保管。博物館では今後、企画展などを開催し市民に公開していく考え。
サトウキビをモチーフとした作品が代表的な明増氏。今回、市に寄贈されたのはサトウキビをモチーフとする作品が多くなる1987年以前に描かれた「岬」と「石段のある風景」、87年以降のサトウキビをモチーフにした作品3点の計5点。大きさはいずれも縦130・3㌢、横162・0㌢。
市役所平良庁舎で行われた寄贈式では、文さんから下地市長に目録が手渡された。受け取った下地市長は「今回は明増先生の代表作である絵画を寄贈いただきありがとう。この絵画を大切にして市民にも見てもらい、こういう素晴らしい画家がいたことを後世に伝えていきたい」と謝辞を述べた。
文さんは「皆さんから感謝の言葉をいただき、明増も喜んでいることと思う。本当にありがとうございました」とあいさつした。文さんには下地市長から感謝状と記念品が贈られた。
今回の寄贈について、明増氏の三女である小川京子さん(58)は「父は市へ愛情を感じていたので、市に寄贈するのがいちばん良いと思った。とても遠慮深い人で、寄贈することはおこがましいと思っていたようだが、喜んでくれていると思う」と語った。今回寄贈された5作品のほか、今後、明増氏の絵画92点が総合博物館に寄託される予定となっている。
同博物館の奥平徳松館長は「新年度の展示計画はすでに決定しているが、機会を見て寄贈作品を鑑賞できる企画展を開催したい」との考えを示している。