南静園ガイドブック発刊/自治会と人権市民ネット
ハンセン病に正しい理解を
宮古南静園入園者自治会とハンセン病と人権市民ネットワーク宮古がこのほど「ガイドブック宮古南静園―南静園の隔離の歴史を歩く―」を発刊した。南静園の歴史を記した冊子で、ハンセン病に関する国の隔離政策や人権回復を求めた国賠訴訟の経緯も記した。同自治会の宮里光雄会長は「ハンセン病に関する啓発活動を続けているが、いまだに誤った理解が存在する」などと指摘。「発刊したガイドブックを南静園を知るための手引きにしてほしい」と話した。
ガイドブックはカラー刷りの96㌻で、5000部を発刊する。南静園の今と昔の写真をふんだんに活用して編集、隔離政策の実態を示しながら入所者の証言も盛り込んだ。国賠訴訟の経緯にも触れているほか、基本的な情報も書き込んでハンセン病に関する正しい理解を呼び掛けている。
昨年4月から編集作業を開始した。人権市民ネットの亀濱玲子共同代表をはじめ砂川洋子さん、吉原愛子さんが編集を担当し、自治会を先頭とする多くの関係者による共同作業で発刊にこぎ着けた。
宮里会長は「ハンセン病や隔離の歴史を語り継いでいくことは入園者の責務。ただ、平均年齢が82歳になり入園者だけで語り継ぐのが難しくなった。そういう中のガイドブック発刊はハンセン病に対する理解を促進する上で役立つ」と話した。
亀濱共同代表は「南静園の歴史を知りながら人権についても考えることができる。このガイドブックを持ちながら隔離の歴史を歩いてほしい」と正しい歴史認識を呼び掛けた。
ガイドブックに関する問い合わせは入園者自治会(電話72・5441)まで。