豊穣の海に感謝/各地でサニツ行事
宮古の伝統行事「サニツ(浜下り)」に当たる旧暦3月3日の5日、各地の海岸で潮干狩りが行われた。青空の下、家族連れらは、平良大浦湾などでシナ(方言名)と呼ばれる二枚貝などを採取。海の幸に感謝し、向こう一年間の無病息災などを願った。
この日は、さわやかな風が吹き渡り、絶好の潮干狩り日和。春休みが重なったこともあって、子どもたちの歓声が響いていた。 例年のサニツに比べ干満の差が小さかったことから、沖合側のサンゴ礁はほとんど干上がらなかった。
最大干潮時の午後2時ごろ、池間島や佐良浜などでは、女性たちが波打ち際に訪れた。伝統のミナンガハナ(三波が花)と呼ばれる儀式を実施。両手で押し寄せる波頭をすくい、顔や手などを洗って体を清め、健康を祈った。1人が3回すくって清める習わし。
一方、家族や友人らが海岸でバーベキューを楽しみ、家族の絆や友情を深めていた。
家族で二枚貝を取った東小6年の上原愛音さんは「初めて体験したが、とても楽しかった」と声を弾ませた。
池間島で家族らと一緒にバーベキューを満喫した平一小3年の長浜幸夢さんは「牛肉と伊勢エビがおいしかった。」と笑顔で話した。