増改築工事が着工/漲水、あけぼの学園
事業費10億円、来年6月供用
県社会福祉事業団(花城可長理事長)が運営する漲水学園とあけぼの学園の老朽化に伴う増改築工事が着工し25日、地鎮祭が建設現場で行われた。総事業費は約10億円。両園合わせた延べ床面積は4052平方㍍で、現在の1・5倍。新施設は、現在分散している施設を1カ所にまとめ、定員増と機能を拡充する。供用開始は、2012年6月を予定している。
建築工事は、先嶋建設・勝建設・松宮開発共同企業体が請け負った。設計は、エー・アール・ジー(本社浦添市)が担当した。
地鎮祭の神事では、花城理事長らがくわ入れの儀式などを行った。
神事後の直会で、花城理事長は「新施設が児童養護や障害児者の入所施設としてだけでなく、宮古圏域の福祉の拠点にもなるよう、機能の充実を図っていきたい」とあいさつした。
下地敏彦市長は、両園の再出発を喜ぶとともに、工事の安全を祈念した。
復帰の年に建設され、漲水学園は築後39年、あけぼの学園が34年を経過。軒のコンクリートが割れ落ちるなど老朽化がひどく、建て替えとなった。
あけぼの学園(2653平方㍍)の建設予定地は、現在の運動場。その背後の高台に漲水学園舎(1398平方㍍)を建設する。
漲水学園の現在の定員は、家庭環境などに恵まれず同園から学校に通う擁護児童30人、知的障害児20人の計50人。知的障害者が対象のあけぼの学園は、30人となっている。
新施設では、擁護児童の定員を現在の30人から40人に増員。知的障害児の定員は20人から12人に減らし、支援機能はあけぼの学園に移管する。
部屋は2人部屋で1人当たり9・9平方㍍と、現在よりかなり広くする。
あけぼの学園の2階部分には、地域住民も利用できる多目的ホールも設置する。
新施設には新しく、常時介護の必要な人を対象とした「生活介護支援事業(定員20人)」と、一般就労に向けて職業訓練をする「就労継続支援B型事業(定員15人)」に必要な設備も併設する。