震災教訓の記載充実を/県振興審議会・基盤整備部会
【那覇支社】県振興審議会の基盤整備部会(部会長・池田孝之琉球大名誉教授)は12日、第1回会議を開き、ポスト第4次沖縄振興計画原案となる「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の「新たな計画の基本的考え方(案)」を審議した。初回会合では、「社会リスクセーフティーネット」や「地域特性に応じた生活基盤の充実強化」などの記載について専門委員らが意見提示した。
同部会では、ことし3月11日に発生した東日本大震災の教訓から、「考え方(案)」にも地震、津波関連の記載を充実させるよう改めるべきだとの声が多く上がった。
委員の寺田麗子氏(フリージャーナリスト)は、上下水道や電力供給施設等の生活インフラを地域ブロックごとに自立化させることを提言。福島原発事故を例に挙げ、「生活インフラを広域化した場合、災害時に対応できなくなる可能性が出る」などとして、リスク回避の観点から、広域化よりも分散化を記述するよう提案した。
池田部会長からはセーフティネットの構築にあたって「災害時のエネルギー確保についても記述する必要がある」との意見があった。
また知念肇氏(琉球大教授)は「BCP(事業継続計画)の視点から、沖縄本島での災害発生時、一時的に宮古島などを貨物や物資、コンテナなどの緊急避難地とすることなどの記載も必要だ」とする提案があった。
同部会は、今月24日に第2回会議を開いて「低炭素島しょ社会の実現」などを審議し、6月15日の最終審議で部会原案を取りまとめる方針。