勇壮に「ゴーヘイ、ゴーヘイ」/伝統ハーリー
航海安全と大漁願う
向こう1年間の航海安全と大漁を願う海の伝統行事「ハーリー・海神祭」が旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に当たる5日、佐良浜漁港や池間島の水浜、久松漁港、パイナガマビーチなど計11カ所で実施された。
メーンイベントの一つ、爬竜舟競漕では、漕ぎ手らは「ゴーヘイ、ゴーヘイ(前進、前進せよ)」の掛け声に合わせて力強いかいさばきで水しぶきを上げ、激しいレースを展開した。大勢の観客らは、勇壮なかいさばきに大きな声援を送り、抜きつ抜かれつのレースに歓声を上げていた。
同日午前は南南西の風が吹き渡り、風速は7・3㍍。青空が広がり、絶好の爬竜舟競漕の日和となった。子どもから大人まで多彩なイベントに参加し、伝統ハーリーを楽しんだ。
このうち宮古島で最初にハーリーを実施したとされる佐良浜では、各漁船に鮮やかな大漁旗が掲げられ、船上では祝宴が開かれていた。爬竜舟競漕では、こぎ手らは力を振り絞ってこぎ出し、熱戦を繰り広げていた。
爬竜舟競漕に先立って漁港の特設会場では、女性たちが「佐良浜口説」や「港町十三番地」などの曲で踊りを披露し景気付け。子どもたちは息の合った踊りやエイサーを演じ、盛り上げた。
カツオ1本釣り漁船3隻は、恒例の「オオバンマイ」を実施。総重量900㌔のカツオ、マグロのぶつ切りが船上から放り投げられ、住民らは逆さの傘や紙製の空き箱で受け止めていた。
佐良浜のハーリーは今年で125年の伝統を誇る。糸満漁師らが宮古沿岸域で操業していた際に、海上のしけの影響で糸満への帰港を断念。糸満ハーリーに参加できないことから、佐良浜の漁師にハーリーを教えたのが由来とされる。