早期の開設へ努力/スカイマーク社
宮古路線延期で西久保社長
【那覇支社】スカイマーク社(本社・東京、西久保愼一社長)は9日、県庁で会見し、那覇空港ビルディング社(嘉数昇明社長)との間でカウンタースペース確保をめぐり折り合いがつかず、9月1日から就航予定だった宮古-那覇路線開設延期の理由を説明した。西久保社長は同ビルディング社から、一方的な不利益な変更の申し入れがあったと説明。一方、同ビルディング社は同社の受け入れに対して、むしろ積極的で、既存航空会社との調整中だったという。同ビルディング社は10日にも経緯について正式会見する予定。
9日の会見で西久保社長は「宮古島や就航を待ち望んでいた皆さんにおわび申し上げたい」と路線開設延期について謝罪した。その上で、路線開設は「延期であり、断念したわけではない」と述べ、同社の宮古-那覇路線開設に向け注力する考えを示した。
スカイ社は現在、那覇空港ターミナルビル北端の受付カウンターを使用し、搭乗手続きなどの受付業務を行っている。宮古便開設に向け、先月23日に同カウンター前方の空間を使用し、新カウンター設置工事に着手する予定だった。だが、同17日に那覇空港ビル側から設置場所変更の申し入れがあったため、工事中止を決定した。
同社が現在、使用しているカウンターにはベルトコンベアーが設置されておらず、旅客荷物を台車で運んでいる状況。そのため、便数増加の場合、旅客対応が困難となる。同社は会見で、空港施設の公益性を考慮し公平な空間の割り当てをすべきだと主張した。同日、上原良幸副知事に要請した。
一方、同ビルディング社はスカイ社の受け入れについて、「県民の利便性向上と利用客増につながるので歓迎している」とし、既存入居社の日本航空(JAL)と全日空(ANA)の調整を行っている最中だという。カウンター設置場所の移動申し入れは暫定的なものであり、既存2社の協力が得られ次第、スペースを提供したい旨を説明した。
スカイ社から要請を受けた上原副知事は「事実関係を確認したい」と述べ、両者の関係が円満解決されることを望む趣旨を話した。西久保社長らは、きょう10日に宮古島市を訪れ、下地敏彦市長に路線開設延期を謝罪するとともに、那覇空港での空間確保に向けて、市に対しても要請協力などを求める考えだ。