大きなマクブに歓声/糸満南小児童
池間小で定置網漁体験
糸満南小学校(伊元武志校長)5年生88人の宮古島体験学習2日目の16日、多彩な体験を通して命の大切さを体感した。このうち池間島の定置網漁の体験では、大物の魚が網に掛かり、子供たちは「大きい魚」と歓声を上げていた。
3クラス88人は15日、2泊3日の日程で来島した。29人が併置校の池間小中学校、30人が砂川小学校、29人が福嶺小学校の子どもたちと交流を深めている。
この日の池間島では子どもたちは、定置網から外された袋網の縄を引いた。全員が力を合わせ、大物の魚が水面上に現れると歓声が沸き起こった。
津波古陸君は重さ約3㌔あるマクブを持ち上げ「やった」と喜びの声を響かせていた。
見守っていた教諭や関係者らは「さすが糸満海人(うみんちゅ)の子ども」とたたえていた。津波古君の祖父と父は地元では海人として有名という。
市海業センターでは、種苗生産したヒレジャコの稚貝300個を用意した。子どもたちは浅瀬の岩盤に金づちとのみを使って小さなくぼみを作り、稚貝を移植・放流した。
子どもたちは「早く大きくなってね」と願った後、海に入って水しぶきを上げていた。
昼食後、ツマ干瀬と称するサンゴ礁で「サンゴ礁イノー散策」体験。大潮で浮上した礁原で生き物を観察した。「宮古島サンゴ礁のガイドなかまたち」の友利博一会長ら9人がボランティアでサンゴや生き物の生態などを指導した。
友利会長は「糸満の子どもたちとあって、サンゴ礁や魚、ウニ、ナマコなどに関心が高い」と評価した。
引率教諭の上原勝さんは「池間島の人たちの協力のおかげで、今回のテーマである『命』が子どもたちに理解できた」と感謝していた。
夜はオカガニ観察会が開かれた。池間小中学校の児童生徒たちと一緒に、オカガニが波打ち際で産卵する生命のドラマを観察した。
県の沖縄離島体験交流促進事業の一環。今年度から3年計画で、県内の離島8小学校で実施される。将来を担う児童生徒たちが、離島の重要性、特殊性と魅力に対する認識を深めるとともに、沖縄本島と離島との交流促進により、離島地域の活性化を図るのが目的。
県から県旅行業協同組合などが委託を受け、宮古島観光協会が調整し、池間小中学校など3校の協力を得て行っている。糸満南小は今年、字糸満から潮崎町に新築移転。4月に開校し新たなスタートを切った。