宮古出身者7人に栄誉/2011年春の叙勲
【那覇支社】内閣府叙勲局は18日付で、「2011年春の叙勲」の受章者4064人を発表した。宮古出身者では、元宮古島市議会議員の與那覇タズ子さん、元那覇市議会議員の洲鎌忠さん(70)が旭日章の栄誉を受けた。また、三島貞夫さんら5人が瑞宝章を受章した。在宮古2人、在沖郷友5人の計7人に勲章、勲記が贈られる。発令は4月29日付。東日本大震災の発生で、政府は4月の発表を延期していた。県関係者は計42人が受章した。
「女性議員の実績評価」
旭日双光章/與那覇 タズ子さん(73歳)
「身に余る光栄。国から女性議員としての実績が評価され、とてもうれしい」と笑みをこぼした。16年にわたり旧平良市と宮古島市の市政発展と地方自治の振興に大きく貢献した。
「宮崎県から宮古に嫁いだ時、地域のボランティア活動で頑張っていた。そのうちに、市議会に関心を持つようになり、女性議員の必要性を感じた。それから女性の地位向上のために立候補しようと決意した」と振り返る。
「立候補すると、私自身には地縁も血縁もない。地域の人々との出会いを大切にし、市民の声を市政に反映させようと訴えた。初当選を果たした時は、支持者に深々と頭を下げ、涙ぐんだ」と強調する。
「老朽化が進んでいた旧下里公設市場の建て替えに向け、女性の立場から議会で必要性を訴えた。もうすぐ新しい市公設市場が供用開始される。楽しみだ」と声を弾ませた。
「今後とも市民のために活動を展開する。それに向け、今は充電中」と意欲を示した。
與那覇タズ子(よなは・たずこ)1937(昭和12)年8月3日生まれ。73歳。宮崎県高千穂町出身。57年宮崎県立高千穂高校卒。93年平良市議会議員に初当選し以後、宮古島市議会議員を含めて連続3期当選。この間、経済工務委員長、文教社会委員長を歴任。
「感謝と感激でいっぱい」
瑞宝双光章/三島 貞男さん(82歳)
「42年余の教員生活が認められてうれしい。当時の生徒や親、先輩教師、同僚など出会った人たちの指導と協力のおかげ。本当に感謝している」と満面の笑みで叙勲受章を喜んだ。
教員生活については「教師の一言一言で生徒は勇気をもらえることもあれば傷付きもする。教師の与える影響は大きいということを教員生活の中で学び、この仕事の責任の重さと素晴らしさを感じた」と振り返った。
旧制宮古中学校の14期卒で、沖縄文教学校卒業後は中学校の教師として活躍し、鏡原中学校の校長で定年を迎えた。
退職後は積極的に社会奉仕活動に取り組み、社会教育委員や人権擁護委員として子どもたちの健全育成にも貢献してきた。
今後の抱負については「叙勲を受章できたのも私が健康で元気であることが大きかったと思う。これまで続けてきたソフトテニスをこれからも仲間たちと一緒に続けて元気に日々を過ごしたい」と笑顔で話した。
三島貞男(みしま・さだお)1928(昭和3)年12月1日生まれ。沖縄文教学校卒。鏡原中学校を皮切りに久松中、平良中、下地中、佐良浜中などで教べんを取る。多良間中と鏡原中で校長を務め退職。退職後は社会教育委員を2期4年、人権擁護委員を13年務める。