大神小中 校舎解体へ
廃校から半年、老朽化進む
廃校が決まっている大神小中学校の校舎が、今年度中にも取り壊されることが分かった。宮古島市が一般会計補正予算案に解体費用を計上しており、総務部では「残念な部分もあるが老朽化が進んでおり、危険な状況にある」と述べた。解体費は4500万円、21日に開会した宮古島市議会6月定例会に上程された。
同校は1933年に狩俣小学校大神分教場として設立された。57年に大神小中学校として分離独立し、同学校名で開校した。
ただ、その後は児童生徒数の減少が進み、95年には小学校、96年と2003年には中学校の在校生がゼロになって一時休校した。児童生徒数の増加が望めないことなどから2010年12月に廃校が決まった。
開校から50年以上が経過し、老朽化が著しいことが取り壊しの大きな要因。改修して使用することも検討したが校舎のコンクリートがはく離するなど「使用するのは危険」(総務部)と判断した。建物の耐震面でも課題が多く、改修に伴う莫大な予算も考慮して解体する方針を固めた。
今年3月には下地敏彦市長自ら地域の住民に解体することを伝えたという。
現在、市が自治会や地域住民と解体に関する調整を進めており、市は議会の承認を経た上で解体工事に着手する。解体後、現時点で新たな建造物の建設は予定されていない。
50年以上、大神島の子どもたちが学んできた地域と象徴とも言える建物は、来年4月までに姿を消す。