落果懸念し防風対策/マンゴー生産農家
台風5号接近に強い危機感
強い台風5号が25日にも宮古島地方に最接近する見込みだ。マンゴーの生産農家は強風による落果を懸念し、23日からハウスの防風対策を講じている。先月末の台風2号で被害を受けているだけに生産農家の危機感は強い。それぞれ「落果も怖いが、風で揺れて果実が傷付くことも心配だ」などと話している。
マンゴーは一部の農園で出荷が始まっており、これから来月にかけて収穫、出荷の最盛期を迎える。出荷時期は例年より遅れているものの、果実は十分に肥大しており、強風の影響で落果する可能性がある。
上野地区でマンゴーを栽培する上地登さんは「5月の台風の時は、果実が小さかったが今はまるで状況が違う。実が大きいので落ちてしまうことが心配だ」と危機感を強めている。
上野地区の別の生産農家も落果を懸念。「今回の台風は範囲が大きい。風の強さによっては、あと1週間で熟する実の多くが落ちてしまうのではないか。風で実と袋がこすれてしまうことも心配だ」と話し、栽培ハウスにネットを取り付ける作業を急いだ。
先島諸島に向けて北上を続けている台風5号は、5月末に接近した台風2号より勢力は弱い。ただ、マンゴーの場合、果実が肥大化しているだけに落果の懸念は拭えない。
2011年産マンゴーの宮古地区全体生産量は500㌧が予想されている。ただ、宮古農林水産振興センターでは台風2号の強風で傷付いた果実が全体の3割程度あるとしており、商品価値の低下に伴って出荷量が変動する可能性もある。