国の施策に「将来不安」/全国ハンセン病療養所連絡協が総会
医療、看護の充実求め決議
全国ハンセン病療養所所在市町村連絡協議会(会長・渡部尚東京都東村山市長)の総会が7日、市内のホテルで開かれ、10市1町から市長・議長ら約50人が出席。2011年度歳入歳出決算など7議案を原案通り承認した。参加者らは入所者の声として「国は入所者の残された日々を本当に見てくれるのか」「退所しても社会の偏見・差別があるので再入所した」「国は予算を削っているので将来が不安」などと述べた。全国の入所者が不安を募らせている実態が改めて浮き彫りになった。
医療・看護・介護などの推進・充実・実現などを求める決議を全会一致で承認した。今後国に要請してく方針。宮古島で開かれたのは今回で通算3度目。
協議会は、11市1町で組織。11年度決算は、歳入124万2000円から歳出90万7000円を差し引いた13万4000円を次年度に繰り越した。2012年度歳入歳出予算は、歳入歳出ともに112万円。
一方、議案外では12年度国立ハンセン病療養所予算は、344億円で前年度に比べ11億6000万円減。
決議文は前年度の決議文内容と大部分と同じ。新たに追加された文言は「全国の療養所者は毎年減少し、本年5月1日現在2275人と、10年前の半数近くに減り、10年後には1000人を下回ることが推測される。また平均年齢も81・6人と高齢化の一途をたどり、入所者の91%が70歳以上の後期高齢者となり、要・食事介助者、認知症、寝たきりなどの重度の障害者、即ち、職員の支えがなければ生きていけない状況にある中、問題の完全解決のために残された時間は限られてきている」。
さらに将来構想の「速やかな実現」と歴史資料・歴史的建造物などの保存・活用となっている。
これまでの協議会の組織名称は「村」を削除し「全国ハンセン病療養所所在市町連絡協議会」に改められた。役員改選で、会長に渡部尚さんを再任した。
渡部会長は「今年度も国会議員で組織するハンセン病対策議員懇談会との意見交換に取り組んでいく」と決意を新たにした。下地敏彦市長は「入所者の高齢化が進んでおり、どうすれば入所者に支援できるのか議論し、国に支援を働き掛けたい」と述べた。