地盤改良工事進む/新宮古病院
再来年開院向け順調
2013年5月に開院を予定する新宮古病院の建設が順調に進められている。移転先の市平良下里の旧宮古農林高校グランド跡地では4日、地盤改良工事が行われており、今月下旬にも建物本体基礎部分の駆体工事(1工区)に入る予定だ。4日現在の工事進ちょく率は約2・2%。今のところ東日本大震災の影響による資材不足などの問題は発生していない。
工事は5月19日の地鎮祭後、磁気探査を実施。その後、CICMC工法機(地盤改良機)による地盤改良工事に着手した。表土から深さ2~5㍍にある琉球石灰岩を均一の強度に高めるため、同工法機によって掘り進め、石灰岩層を粉砕しながらセメントを流し込むという技術を用いている。
施工を請け負った國場組監理技術者の宮城雄さんによると、本来CICMC工法はぜい弱な地盤を固めるために用いる方法だという。建物が6階建ての構造物になるため、基礎着工前の地盤改良は非常に大事な工事になる。
地盤改良工事は9月中旬まで行われる予定で、全1644カ所を同工法機によって掘り進めて作業を行う。平均で1日30~35セットの作業を行っている。
宮城さんは「震災後、建造物の強度を懸念する声を聞くが、地盤改良をしっかり行うことを含め、皆さんに安心できる病院の建物を提供したい」と語った。
県病院事業局は、新宮古病院建設の進ちょく状況を県庁ホームページでも公開しており、工事の節目ごとに新たな写真などの掲載も行う。病院事業局の担当者は「地元の皆さんが心待ちにしている新病院の建設事業なので、今どこまで工事が進んでいるのかを分かりやすく紹介したい」と話した。
新宮古病院の建築面積は5948平方㍍、延床面積は1万9640平方㍍、鉄筋コンクリート6階建てで、12年11月の工事完了を目指している。