来間島住民が部落会を提訴
会長選任無効で地裁平良支部に
下地来間島の住民の一部が同島の地縁団体「来間部落会」に対して、規約に沿った会長選任が行われずに総会で会長選任の決議をしたのは無効だとして那覇地裁平良支部に提訴していたことが22日までに分かった。
訴状によると、今年3月31日に会長を選任した「部落総会」について「本来、会員となりうる者が会員とされずに排除され、会員資格を有しない者が会員として議決権を行使している」などとして、会長の選任決議は存在していないかまたは無効であるべきとしている。提訴は6月27日付。第1回口頭弁論は10月5日の予定。
原告側の男性の一人は地縁団体の規約を示し「会長選任の議決は4月に行うべきだが3月31日に行われている」「総会開催日の5日前までには文書でもって会員に通知しなければならないが、それがなされていない」などと指摘し、「地縁団体の規約に沿った総会および会長選任が開かれていない。従来までの部落区長としては認めるが、地縁団体の会長としては認められない」と話した。
原告側は、会長職務の執行停止と仮代表の選任を求める仮処分も申し立てる予定。
同部落会の来間得良会長は22日、宮古毎日新聞社の取材に「地縁団体と部落会は一つだと思っている。島の大半の住民もそう思っている」と主張。「総会は5日前に公民館の掲示板に張り出し招集通知をした。当日朝はスピーカーで広報するなど従来の規約に基づいて行われた」と話した。
市の管財検査課は「4月8日付で会長変更の申請があったため受け付けた。現時点では手続き上、何ら問題はない」としている。
同部落会については一部住民が今年4月に、部落有地を売却した資産を有しているが、売却時(1988年)の資産額と地縁団体移行(07年6月)後の資産額が大きく異なっているとして、収支に関する帳簿など関係書類の開示を求めて提訴した。その後、被告側が代表者の変更を申し出たため訴えを取り下げて新たな提訴をした。
原告側は会長選任無効の訴えを通して、地縁団体の規約などにのっとり収支に関する関係書類の開示、閲覧を求める方針だが、来間会長は「その問題はすでに終わっている」と述べ、現時点では応じない考えを示した。